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あれ以来日向とはよく話すようになった。
ぶっちゃけ女の子と話してるようにしか感じなかった。
でも日向は男だと自分に暗示をかけてやり過ごしていた。
暇だった昼休みも楽しくなった。
しかし日向の体にはいつも傷が付いており少し気にかかった。
でも俺の存在が日向の生きる希望となるならそれでいいと思い日々を過ごした。
ある日。
俺は日向と共に出かけることになった。
同級生に会うのが嫌だから少し離れた場所に行った。
同性と出かけるだけなのに「これは傍から見たらデートなのでは?」と少し考えていた。
特に行くあてもなく俺たちは喫茶に入り会話をしていた。
日「蓮ってさあ、なんで友達作らなかったの?私と喋れてるってことはある程度コミュ障じゃない訳じゃん」
少し痛い言葉を突き刺しながら日向は聞いてきた。
蓮「俺さ実はコミュ障なんだよね。なんだけど変に自分ペースに話したせいかせっかくできた友達も離れていって、コミュニケーション練習したんだけど今更話す気にもなれなくてって感じかな」
特に隠すこともないからそのまま話す。
俺はそういや友達がいないんだった。でも今はいる。
少し感動しつつもこのまま日向との関係が良好ならいいなと期待を膨らませていた。
その後少しお喋りしながらも時間を潰しそろそろ出ようかと言う話になった。
蓮「んじゃあそろそろ出よっか。」
俺がそういい席を立つと。
日「ちょっと待って、最後に一つだけいい?」
今までと違った雰囲気で日向が俺に話しかける。
蓮「なんだ?まぁいいけど。」
俺は特に拒否する理由もないため先に座り話を聞いた。
日「蓮はさぁ、もし私が居なくても元気だし何とかなるじゃん?いじめられてる訳でもないし。でも私って今のところ蓮しか居ないんだよ。」
その言葉にドキッとするも日向は話を続けた。
日「だからさ、このまま友達のままでいてくれる?裏切らないでくれる?」
彼女の心のこもった質問に俺は「裏切るわけないじゃん」そう返答するのだった。
その後も俺たちの関係は良好だった。
たまに遊びに行き、学校では昼休みにたわいもない雑談をする。
たまにいじめられてる日向をはげます。そんな日々が続くと思っていた。
ある日
俺はクラスのリーダー格から呼ばれた。
こんなことは初めてだった。
蓮「どうしたんですか?」
来て早々に疑問をぶつける。
するとリーダー格は口を開いた。
「おまえ最近隣のクラスのいじめ受けてる奴と仲良いらしいな。」
その言葉にギクッとした。
蓮「それが何か?」
俺は再度疑問をぶつけた。
「あのさ、そいつがいじめ受けてるの分かってんなら関わんなよ。お前さ、そいつから離れろ。」
リーダー格の怒声にビビりながらも話を続ける。
蓮「どうしてですか?あなたはあの人と何かありましたっけ?」
そう聞くと。
「俺はあいつをいじめてる1人だわ。あいつをいじめてるのにいつもより反応がないし、逆に前より明るくなった。それが腹立たしいんだ。」
そう答えた。
しかし俺の答えは「NO」だった。
俺は居なくなれば日向は生きる意味を無くす。
そんなのあってはならない。
蓮「嫌です。」
俺はそう言い残しその場を急いで去った。
あれが適した判断だ。
俺はそう思い家に帰った。
次の日
俺はいじめられた。
理由は分かる。
リーダー格のせいだ。
俺は一日中いじめを受けた。
はじめて受けた。
色々受けた。
上げればキリがない。
こんなにもいじめが辛いだなんて、日向はこれを毎日……
そう考えると背筋が凍った。
1番辛いのは暴力だった。
しかし俺はそれを隠していつも通り屋上に向かった。
日「なんか今日疲れてる?」
彼女は感がいいのか俺の今感じてることを言い当てた。
蓮「いや、寝不足」
日向に心配をかける訳には行かなかった。
俺は何とか隠し通したもののその後もいじめを受けた。
放課後
今日も呼び出された。
「おい、もしこれ以上関わるのなら最も辛いいじめを行うぞ」
リーダー格はそう脅してきた。
蓮「そ、それだけは……」
俺は弱々しい声でそう零した。
「じゃあこれ以上関わるな!」
怒号が飛んでくる。
蓮「わかりました……」
俺はそう言い残し屋上を出た。
しかしこれでいいのだろうか、もし俺が日向を見捨てれば日向は……
しかしこれ以上いじめを受けるのも嫌だ。
俺は選択を迫られていた。