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再開
それは、高校1年生の夏休みのことだった。
「家の近くにある教会に通い、 賛美歌を学べ。」
この面倒臭い課題のせいで、いや、この面倒臭い課題のおかげで、俺は、また、君に出会った。
忘れもしない。7月29日。
気温は30℃の炎天下の中、教会まで足を運んでいた。家から片道15分。遠い訳では無いが、暑さも相まって、足取りが重かった。
西宮橋を渡り、ようやく着いたところで、綺麗な歌声が聞こえてきた。 これは確か、『たたえよ、救い主イエスを』だろうか。音楽の授業で散々聞かされた歌だな。
何故かうちの学校、東蘭高校では、キリスト教系の学校ではないのに音楽で賛美歌の授業をしている。これは普通のことなのか、単なる音楽教師の好みなのかは知る由もないが、俺には嫌で仕方がない。俺みたいな第1志望校不合格の落ちこぼれが、こんな如何にもお嬢様、みたいな物を学んで。そもそも、賛美歌なんて知っても将来に役に立たないじゃないか。
歌、なかなか終わらないな、、
どのタイミングで教会に入ればいいのか分からない。ていうか、、マジで、綺麗すぎる、声。
初めて聞いたはずなのに、どこか懐かしい。ずっと聞いていたら涙が出てきそうだ。
扉の隙間から覗いてみると、どうやら中には1人しかいないようだった。この声の主は、1番奥に座っていた。歌の途中だけど、話しかけてみようか。でもこの声をずっと聞いていたい。
あの人の声が、好きだ。
歌が終わり、教会の中に入るとその人は俺に気づいたようで、声をかけてくれた。
「ご機嫌よう!……………え、冬弥くん……?
久しぶり……なんで……」
心臓が止まるかと思った。声の主は、小学生からの友達で……俺の初恋の人でもある、日向結愛だった。
「え、結愛?お前こそなんで、、、」
「浜名女学院はキリスト系の学校で、時々、教会に通う必要があるの。私は毎週日曜日に行っていて………それより、冬弥くんは何故ここに?」
「俺は高校の課題で教会に通って賛美歌を覚えて来いってヤツ。」
あーやば。マジで結愛、可愛すぎる………、、
ぱっちりした二重。サラサラと風に靡く髪。
桃のようなフローラルな匂いが、俺の顔を紅潮させる。 小1の頃から見てたけど、やっぱり変わってないな。さっき感じた懐かしさは、この所為だったのか。また会えて嬉しい。
「冬弥くん、それなら賛美歌、私が教えようか……?一応何曲かは覚えているから。」
「え、あ、まじ、?じゃあ頼むわ」
「でも今日はもう教会閉まっちゃうんだよね、
来週の日曜日の14時とか空いてるかな?」
「あー、全然、暇してる。また来週な。」
そう言って駆け足で外まで走ってしまった。
くそ、俺の馬鹿!!コミュ障がすぎる……
ほんの数ヶ月前までは同じクラスで普通に話せていたのに!………でも、やっぱり可愛かったなぁ、
結愛。9年間ずっと好きだったのに、まさか女子校に行くなんて、知った時にはショックで寝込んでしまった。その上、第1志望高にも落ちて、たくさんの人に迷惑かけて…………!!嫌なこと思い出してしまった。結愛はきっと、今の学校でも上手くやれているんだろう。流石だ。あーあ、女に生まれていたらなぁ。
そんな事を考えていたら、いつの間にか家に着いていた。また来週、か。楽しみだな、すごく。
嫌なことを思い出してしまう夜も、結愛のお陰で、少し早く眠りに着けた気がした。
へいわちゃん
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あかね
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コメント
1件
読みました!再会シーン、すごく良かったです…✨ 教会で響く結愛の歌声から始まるの、もう胸がぎゅっとなりました。冬弥くんの「ずっと聞いていたい」って気持ち、分かるなあ。幼なじみで初恋の人との偶然の再会、お互いに照れちゃう感じとか、9年間変わらない好きとか…細かい心情描写が刺さります。来週が楽しみすぎる!続きが気になります🔥