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ども、主です。それでは本編どうぞ!
ーNoside
その夜のこと。💛はソワソワしていた。なぜなら、思わず密会の約束をしてしまったのであるのだから。別にやましい理由で呼び出したわけではないのだが、理由もない。ただ、兄や宦官がよくやる”密会”に興味があっただけなのである。会ったとしても何を話そう。そんなことを考えていると、歌が上手い侍従、❤がやってきた。
💛「今夜はすみません。」
❤「いえいえ。それで、何か御用ですか?」
💛「(ここを、どう誤魔化したら良いのだろう。)」
❤「💛様?」
💛「い、いえ、そのー、、、庭を散歩しません?気持ちいい風が吹いてるので。」
❤「良いですよ。」
💛「あ、ありがとうございます!」
そうやって、黄之光邸の庭園を散策した。爽やかな風が心地よい。少し薄着のせいか、肌寒いが悪くない。何よりも、❤が隣にいることが気になって仕方がないのだ。赤い髪が月夜に照らされ、紫色と黄色の色違いの目が輝いた宝石に見える。それほど、美しい人が今、自分の隣りにいるのだ。
❤「あ!💛様!見てください!銀杏ですよ!」
💛「銀杏か、、、(ソッ)」
❤「?」
💛「ふふっ、銀杏で彩られた貴方も美しいですよ。」
❤「、、、ふぇ?」
💛「(ま、まずい!本当のことを言ってしまった!)」
💛は思わず口を袖で覆う。❤は、目を合わせないように向き合っていた。その目は泳いでいて、顔は苺のように赤く火照っている。そのまま数分間は、二人の間に沈黙が流れた。王宮に流れる川は美しく、透き通っていた。その水面で反射した月の光が2人の頬を照らし出す。
❤「お、俺、、、そろそろ帰らないと。寝坊してしまったら申し訳ないので。」
💛「わ、わかりました。すみませんでした。」
❤「俺の方こそ、誘って頂き光栄でした。それでは、失礼しますね!(タッタッタッ)」
💛「ぁ、、、。(行ってしまった、、、。)」
???「何をそんなにしょげてるんだ?」
慌てるかのように行ってしまった❤を見送るその背後から、声がした。桃色の髪をなびかせたその髪も、中々見ものだが、💛にとってはやはり、あの側近でないと何かと見栄えが悪いように思えてしまう。幼い頃からの悪い癖である。
💛「、、、いいとこだったんですから、一人にしてください💗兄。」
💗「いいじゃねーかよ、弟のめでたい初密会だ。」
💛「気持ち悪いのでその言い方やめてください。」
💗「そんなに冷たくしないでも、、(´・ω・`)」
💛「で、僕に何か用事ですか?というか、病み上がりなんですから寝ててください。」
💗「、、、そんなに俺が嫌か?」
💗は眉間にシワを寄せる。それにお構いないかのように、庭から月を💛は見上げる。兄のことは好きでも嫌いでもない。だが、どちらかと言われれば苦手な方だ。💗は大人の目つきをして、こちらをじっと見つめるが、💛は視界に入れないように背ける。
💗「、、、まだあのことに根を持ってるのか?」
💛「、、、ッ。」
💗「なぁ、兄ちゃんにも言えないことなのか?(ガシッ)」
💛「触らないでください!他人のくせに!!」
その言葉に、💗の顔は歪む。💛は息を切らしながら、女官たちが起きてくる前にと、さっさと寝床に行ってしまった。💗は呆然としたままさっきまで弟が見上げていた月を見上げる。そして、ため息をついた。
💗「(、、、俺達にとっては、家族のように思えても、💛にとって俺たちは他人なのか、、、。)」
💗は、重い足取りで黄之光邸を出ていった。
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