いつも通りの景色
高校生なのにも関わらず体操服を蹴りながら
隣で楽しそうに話す君
「はいこれ 今日のお花!」
これが朝の日課
君はいつも僕に花をくれる
「なんの花?」
「すみれだよ!」
聞いたことのある花
ちゃんと見たことはなかったがこんなに小さいんだ。
「今日の花も綺麗。ありがと。」
えへへと華が咲いたように笑う君
今手にある花より綺麗だよ。なんて
口が裂けても言えないな。
いつもの空気
いつもの場所で
今日も君を待つ
朝は眠いが
「もときー!!」
君の甲高い声で目が覚める
「はいこれ!今日の花!!」
黄色のチューリップ?
「チューリップだよ!綺麗でしょ〜」
「うん。綺麗な黄色だね」
チューリップといえば赤のイメージだが
「なんで黄色なの?」
「黄色が好きだから!!」
特に意味はないらしい。
今日も君と登校する
「今日のお花はなんですか?」
「今日はね〜」
楽しげに花を渡してくる
「パセリ!!」
「ぱ、パセリ?笑」
果たして花なのかこれは
「とってもいい匂いがしたから買ってきちゃった!」
「花屋に売ってるんだね」
すっきりとしたいい匂い
朝の目覚めにはちょうどいいが
「授業の邪魔になりそうだよ笑」
「あ!そうだ…ごめんねぇ」
別に謝らなくてもいいのに
そんなとこも大好きだ。
次の日も同じように君を待っていたけれど
今日は来ないみたい
静かな朝
いつもと同じ道のはずなのに
華がなくなったように寂しい
今日の花はなんだったんだろうか。
それから3日ほど君は来なかった
寂しいものだな。君がいないと。
でも次の日、君は来た
だけど、
君の顔色は死んだように青かった
「どうしたの?顔色悪いよ?」
そう尋ねても君は大丈夫だよの一点張り
そしていつものように
「今日のお花!」
「何これ」
「勿忘草だよ!」
白くて綺麗な小さな花だった
もっと早く気づけていたら。
次の日君は学校に来なかった
暇だったから調べた。
今まで君がくれた花の花言葉
ああ、もう遅い。
僕は教室を飛び出して最寄りの病院に向かった
が、遅かった
君はもう息をしていなかったみたい
ずっと伝えてくれていたのにね
君のお葬式には一輪の花を持って行った
綺麗な青のブルースター
お疲れ様でございました!!
ここからは解説です!
これは普通の高校生2人の物語
大森くんと藤澤くんは両片思いをしていた
藤澤くんは毎日大森くんに花をあげていました
自分は重い病気を患っている。でも君のことを諦められない
残り少ない寿命の中で、どうしても想いを伝えたかった
感のいい大森くんなら気づいてくれるだろうと渡していた花。
でも大森くんは藤澤くんがただただ花にハマっているのだと思っていた
それぞれの花に込められた花言葉。
それに大森くんが気づいた時にはもう遅かった。
謝っても済むことではない。
自分も伝えに行かなきゃと思った大森くんは
最後に藤澤くんに「ブルースター」を渡します。
意味わかるかな?
ここから大森くんがどうなったかはあなたのご想像にお任せします。
ではまた会う日まで。
コメント
3件
マジで涙腺崩壊… 合ってるか分かんないけどブルースターって「幸福な愛」・「信じ合う心」だよね(? 勿忘草(私を忘れないで・誠の愛)すみれ(謙虚)とかお洒落な花ばかり渡してたんだね…マジで泣ける。最高すぎ、保存します