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その頃、別室に移動し、密談をしていたエリミア達は…………、「それで……私達に話したい事の続きの話って一体……?」
「…………はい、あの家の事やその呪物に直結していてとても重要な事なんだけど、実はあの家には……地下室があるんです」
「ええ、確かにあの家の間取り図にも、そのような場所 がある事が記されていたわね、だけど私達があのヴェルリナちゃん達一家のところに滞在していた時、部屋を隈なく調査させて貰ったけど、そんな空間があるような……不自然に感じる事はなかったわ、何処かに地下に通じる通路でもあるの……?」
「その通りです、でも……あの家に居た者達が……、本当にそうなら絶対に知られたくない筈。だからその入り口を封鎖する為の細工を施している……なんて事も」
ベラディスから次々と告げられる衝撃の言葉……今の現状において有益な情報を得られてる事は非常に喜ばしい事なのだが、しかしそれとは裏腹に淡々と言葉を告げている辺り少し怪しさを感じる。
そこで、「何故そこまで詳しく、しかもかなり詳細に知っている?もしかして貴女もこの一連の呪いの誕生に関与しているのでは…?情報提供して貰ってのは非常に有難いが、あまりに情報を持ち過ぎている」
「そんな訳ないじゃない、あんな狂った集団の連中と一緒にしないで。私はキリスト教も、ましてや悪魔なんて崇拝してない、黒魔術や呪物を手にしようとか思わない 」
「悪魔や黒魔術を信仰する組織集団……つまりあの家には悪魔の呪いの儀式をやっていた過去がある、しかしそれはあくまで無関係者の赤の他人から聞いた情報、何故態々そんな事実を君らの店は内密にして、家を売っていたんだ? 」
「…………その関係者の中に悪魔崇拝者が居たって言ったら貴方達は信じれる?」
もし、これが真実なのならば、不動産会社の数人が集団で悪魔を崇拝する呪術師として悪魔を崇め、陰で悪魔の呪いの儀式をあの家の誰も気付かないような秘密の地下でやっていた。それにより、必然的に悪魔が無数に寄り付き、あの家は悪魔に呪われたお化け屋敷になった……と、ある意味これで色んな奇妙な点に対し、説明がつく。
「悪魔の呪いの儀式というのは、非常に危険で悪魔の怨念や呪物の力によって呪いの強さが強くなる……けど、領域を超えた呪いになると儀式者本人にも、其処に何らかの捧げ物をしたら尚更……悪魔を余計に刺激する事に繋がってしまう」
「しかし、何故そんな情報をこんなに沢山。それらの情報は独自に集めたのか…?」
「いえ、単なる偶々です。私の知り合いに霊現象や超常現象を研究している……言ってしまうとお二方のような事を生業としている知人が居るの、今話した情報は全てその人から聞いていたの」
「成る程。それならそんなに深くまで知っているのにも納得がいく」
その後も、更に彼女から告げられる暴露は続き、黒魔術師の事や悪魔崇拝者達が密かに行っていた多数の呪物を使用した悍ましい悪魔の儀式。
そもそもあの家、つまりヴェルリナ達が住んでいる家が出来る以前、あの場所の付近では古くから悪魔を崇拝し、崇める者達が集う『集落であった』事。
呪術師や黒魔術師、悪魔崇拝信者による悪魔の呪いの儀式……その結果儀式を日常的に行っていた災いが不幸を周囲に齎し、その周囲に住む人々は不可解な出来事や不幸、突然死などが相次いでいた事など、数多くの情報を二人に提供したベラディス。
「あの家やその周囲は大昔から既に呪われた土地だった訳か、いや……というよりも呪いをかけられて誕生した不運な、悪魔にとってはまさに好都合の環境条件が揃ってしまっていた……」
「ええ、呪われた土地に加え……更に悪魔の儀式がずっと現在も尚秘密裏に繰り返され、その相乗効果で悪魔が無限に悪魔が吸い寄ってきて、あんな邪悪な呪われた幽霊屋敷が出来上がった」
「儀式が行われていたとなると呪物自体は勿論の事、儀式に使う祭壇も……呪いの儀式場さえ破壊し、封印すれば呪いの連鎖は止まる筈よ」
「そうだと良いんだけれどね」
「……………?、というと……? 」
「呪術師達は無数のかなり怨念深い悪魔を儀式を経て地獄から呼び寄せ、悪魔は怨念や不幸、災厄を降り掛からせ…そうして人間を呪いの恐怖で殺していく、そうでしょ? 」
「ああ、そうだ」
悪魔は呪いや怨念と言った恨みや儀式の過程で発する呪物や術者の怨念、はたまた生前の憎しみや怒りによって呪いの強さは様々に異なる性質を持つ。
そして、それは悪魔憑きにも大きく影響し、左右する。更に、
不運や死など……不可解な出来事や現象を引き起こす、呪物にかけられた怨念が強ければ……大きければ悪魔の呪いはそれに比例し、強くなる。
儀式場や呪物祭壇、これらの代物が持つ力の増幅に拍車をかける要因となる。「其処までしてあの家で呪いの降霊儀式をやっていた理由は……」
「さあ〜、悪魔崇拝者や呪術師の思想なんて全く理解できないわ、悪魔を崇め、崇拝し……悪魔の存在こそが正義‥……なんて事を知らしめたかったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない、奥深くまでの真相は私でもまだ掴めてない 」
そうして、これまで彼女から得た情報を整理しつつ、他にまだ有力な情報を持ってないかを再度問う。
「しかし、不可解な点が多い……悪魔憑きという事象は時に残虐で非道な行為に走るのは悪魔事件において珍しい事ではない、だが今回のようにカニバリズムにまで至っているのはあまりに前例がない」
「それ程あの少女に憑依している悪魔が凶悪だという事の何よりの証拠だと思う、そもそも悪魔の儀式の格も恐らくね」
「ええ、彼女の現状を照らし合わせて考えても強い呪いを持った呪物や祭壇が多数存在しているのかも、それにこんな大惨事を招く程の凶悪な呪い……古くから居たという悪魔崇拝者組織の事も少々気になるわ」
新たに出た呪いの儀式やそれらを関連付ける物品が一つではなく、多数あるという可能性。「とにかくあの家の周囲とあの家……それとあの家とは別に悪魔崇拝者達が秘密裏に行っていた棲家を先ずは探さないと」
「それなら私も同行するわ、情報提供し協力すると約束した以上……その少女の事を放っておけない」
「御協力感謝します、道中でまた何か有益な情報を思い出したら何時でも遠慮なく教えて欲しい」
「ええ、勿論」
そうしてある程度の話を終えてエリミア達はヴェルリナ達の元へ戻った。
「お待たせ、彼女の容姿はどう?」
「それが……さっきから突然植物状態になったみたいに意識を失ってそれから目覚めなくなったの」
「え……?」
「呪いの力が大きくなって彼女を本当に殺そうとしているのだと思う、ずっと吐血を繰り返して意識も随分と朦朧としてたから……それに何だか嫌な予感がする」
「嫌な予感……?」
「あくまでも私の推測なんだけど呪物に呼ばれているんじゃないかって思うの、呪物を探しているかのような言葉をずっとボソボソと呟いて……思うように死ねないから、誰も死なせてくれないから……だから呪いに死を下させようとしてるんじゃないかって」
「え……!?、そんな……」
しかし、そんなリズエルの予測が早くもあたってしまうのだった。
「………………………………」
昏睡状態から突然と目覚め、虚ろな目をして状態でゆっくりと起き上がりこう呟いた。「大いなる呪いの力……呪い物……見つけなきゃ、悪魔の儀式を呪い……儀式……呪い物……呪い物は何処……?」
「ヴェルリナ………お願い、もう何処にも行かないで……遠くへ行かないで……!」
でも無慈悲にもこの声はヴェルリナには届かない。
「呪う……呪い物……」
ブツブツ彼女はぼやきながら何処かへ消えていった。そして、不可解な事にスッ……と霧のように消えていった。