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ゆっちゃん
GB「ふぅ…」
イタ王さんとの観光を終え、一息。懐中時計は15:40を指している。
着いた空港はレオナルド・ダ・ヴィンチ空港。
沢山のベンチに、商業施設の並ぶ綺麗な空港。隣にいるイタ王さんは相変わらず笑っていた。優しい____________綺麗な笑みで。その顔がいつにもなく美しく、自然で見惚れてしまった。IT👑「…イギリス?」
GB「へぁっ!?」
そこでようやく自分がイタ王さんをまじまじと見ていたことに気づく。申し訳ない気持ちになりながら言った。
GB「イタ王さん…今日はよく笑うんですね」
IT👑「io?」
驚くような、悲しむような。そんな風に、彼の目が開かれた。
IT👑「それよりもioは____イギリス、君が心配だよ」
GB「え?」
IT👑「折角こんなに綺麗な顔してるのに…終末旅行しようとしてるんでしょ?」
GB「ぇ…、な、なんでそれを…」
私は”旅行”としか伝えていなかったはずだ。…いつから察していたのだろうか。流石は軍人、侮れない観察眼だ。
IT👑「少なからずioは___否定しないよ。」
GB「え…?」
死ぬことを、否定されない?死ぬことは、悪じゃない?
IT👑「先にioはイギリスと同じ目的の場所に行ってるから…、大丈夫」
_______つまり、それは
GB「それって____」
イタ王さんも、終末旅行へ_____
IT👑「さ、そろそろ搭乗時刻だね。行こう?」
言いかけた言葉は、人為的か自然か。遮られてしまった。
そこに、上から違う声が降る。
??「はぁッ___、はぁッ____」
??「此処に…居たんだ、探したよ兄さん」
IT👑「……はっ?」
珍しくイタ王さんが動揺している。
IT🦅「出張は明日じゃなかったの?…居なくなって心配してたんだよ」
IT🦅「いっつもそうだよね。そろそろ僕にもちゃんと____」
IT👑「もう飛行機取っちゃったし行くんね!ばいばい!」
急いで私の手を引き走るイタ王さん。その顔に珍しく汗が浮かんでいた。
IT👑「……ふぅ、」
そのまま飛行機に逃げるように乗り込み、予約していた席に荷物を置いた。
GB「イタ王さん、大丈夫ですか……?」
私の手を引いて___というかほぼ抱えて全速力で走った体。身長185cmと170cm。身長が10cm以上違うのに体重はどちらも50kg代前半だ。
IT👑「はーッ…、はーッ……。あはは、大丈夫……」
そうやって汗の浮かんだ顔で笑った。
GB「イタ王さん……、その…、」
その顔の後ろに、影が出来ていた。特徴的な羽が出し入れできる、175cmくらいの体。
IT🦅「にーいさん?」
IT👑「ビクッッ」
IT👑「サロ、ちゃん…?なんでここに…」
その肩が震えていて、怯えていて…。かつての私も________この旅行中、いつかフランスに追いつかれた時の私も。きっと同じ反応をするのだ。イタ王さんに過去の自分が、未来の自分が重なって見える。
IT🦅「なんでもなにも。僕も出張ついてくから。」
IT👑「……は?い、イタリアは?それにioの出張なんだから____」
IT🦅「兄さんそう言っていっつも僕のこと置いていくからさ。もう着いていくことにした」
少し強引だがイタ王さんを一人にしてはいけないと、よく理解している。確か唯一の身内だったはず。”兄さん”と呼ぶ当たり弟なのだろうか。イタ王さんはいい弟を持ったものだ。…でもきっと、イタ王さんにとっては負担でもあるのだろう。
GB「…まぁまぁ、お二人とも___少し休みましょう?」
その声に、二人が声を止め、目線を一瞬此方に向けた。
汗が浮かんで息が切れていたイタ王さん。頭に半分血が上っているサロさん。とにかく、自分を投影しているからか、これ以上イタ王さんを責めないでほしかった。
GB「もとは私が了承したことです。だから…ね?」
IT🦅「ん……、そっか。」
すぐに納得したような表情を見せるサロさん。大英帝国自体の世渡り術…話し方の経験が活きている。「自分にヘイトを向けるような言い方をする」、こと。フランスにはすぐ見抜かれてしまうが、大抵他国はこれで怒りを丸め込んできた。
そんなこんなでオスロに到着。飛行機を降りると冷えた空気が体を支配した。
GB「イタ王さん、サロさんここまでありがとうございました」
GB「私はこれからスカンディナヴィアへ___」
IT👑「もし…死ぬなら、…自然がいいと思うよ」
イタ王さんが別れ際に耳打ちをする。死ぬことを肯定せず、否定しない。
楽だった。自分が死ぬことを歯切れが悪くとも認めてくれる人がいる。そう思えるから。
IT👑「ごめん、ioもう行かなきゃ。またね。」
IT🦅「イギリスさんは…反対側かぁ。残念」
そういいイタ王さんとサロさんは手を振りどこかへ向かう。
GB「…はい、ありがとうございました」
寂しく思いながらも、サロさんと歩く二つの影を見送った。
一人歩き始めた方角にあるのは、スカンディナビア半島。オーロラの絶景地である。
GB「…ぁあ、もうッ」
歩き始めて、人気のない路地を通って、少し、立ち止まった。
道行く人などいない。たった一人、薄暗い路地。
だからだろうか。
GB「なんで、ッ私は…ッポロポロ」
急に涙が流れてきた。視界が滲み始め、どんどん見えなくなる。
GB「ひゅっ…ッはぁっッポロポロ」
意気が浅くなり始めた。まずい、息ができない。
肩が上下する感覚。
GB「ひゅっひゅーっッ」
必死に息を吸おうとした。死にたいはずなのに本能に逆らえない自分が憎い。
生理的な涙が落ちていく。体から力が抜けて、その場に倒れこんだ。
GB「……ッはぁっ、ひゅっ、ポロポロ」
意識が遠のく。
どこか遠くへ行くような感覚。
だめだ…、もう
せめて綺麗に終わりたかった。
?「ねぇ、っ……てば!」
?「………って____」
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