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死んじゃったのかなと思っていると、別の生きている子供の部位を探そうとしたら、急に心臓に響くくらいの大きな音がして稲光が空を覆った。僕は今日のところは手だけを持って警察の人を探すことにした。
東の方には小さい駅がある。
御三増駅。
昇降量は一日平均30名たらず、列車の本数も少ない。寂れた駅だけれど駅長だけは有名で昔、テレビに映ったことがあった。
僕はその近くの交番に手を持ってきて、上気した顔で二人の警察の人に子供の手を渡した。
最初、警察の人たちはびっくりしていた。
小さな交番には二人のお巡りさんがいた。
一人は四角い顔にメガネを掛けていて、書類が散乱した机で書き物をしていたけれど、僕の持つ子供の手を見つめていて、顔に厳しさと青白さが少し現れた。
もう一人の人はカエルのような顔で大柄の人だった。子供の手を指紋がつかないようにと、泥を丁寧に拭きながら何も言わずにいたけど、子供の手の泥を拭きながら次第に顔が険しくなってきた。
「なんだね! ぼく! これは人形の手じゃないか?!」
カエルのような人はハッとした僕の腕を掴んでいた。
そのカエルのような人は険しい顔のままだ。きっと、重大な事件から性質の悪い悪戯か何かへと考えが傾いたようだ。
「違うかもしれないけど、こんな悪戯しちゃ駄目だよ!」
語気を強くした声を聞いて。
僕は確認をあまりしなかったことを悔やんだ。きっと、人形の手も子供たちと一緒に埋められていたんだ。
「ぼく、どこで見つけたんだい?」
四角い顔の警察の人は優しい調子で話し出した。
僕は決して悪戯をするような子じゃない。
「あのね……実は裏の畑で……」
僕は顔を紅潮しながら意地を張って、警察の人に本当のことを言ってしまった。
裏の畑でバラバラの子供たちを見つけたことと、それでも生きていることを。
「内田さん。子供の言うことですから……。それに、こんなに精工な人形の手なら、大人でも間違えるかも知れませんよ。それに、血のりもあって、何だか不気味ですね」
四角い顔のお巡りさんが机の書類をどかしながら、目に微笑みを浮かばせていた。
「でも、何かの間違いなのかもしれないけれど、今後このようなことが起きるのは非常によくないですよ。斉藤さん」
内田は厳しい表情を緩めなかった。