コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
薄暗い廊下を少し行き階段を降りる
視界が悪いので足を踏み外さないよう注意する
最後の一段を降りる
やはりリビングは暗いままだ
キッチンへ生き昨日の残り物を温まる
チン♪という音を聞き扉を開く
いい匂いが漂う
昨日ハンバーグを余分に買っておいて良かった
炊飯器から白米をよそう
それらをもってリビングへ向かう
テレビをつけようかと掴んだリモコンを離す
「いただきます」
決して大きな声ではない
だが独りのこの空間にはうるさいほどだ
1口頬張る
味がしない
独りだからなのか本当に味がしないのか
2、3口頬張って箸を止める
まだ空腹感はあったが気持ち悪さが勝った
食べかけの食事を冷蔵庫に入れる
その足で洗面台に向かう
口の中に残ったハンバーグの味が気持ち悪い
急いで歯を磨き口をゆすぐ
もう気持ち悪さは残っていない
ふと鏡に映る自分が目に入る
寝不足でできたクマ
乾燥した唇
糸のように細い目
お世辞にも可愛いとは言えない顔立ちだ
そんな現実から逃げるように
洗面台に背を向ける
リビングに戻る
目を閉じて無音を聞く
世界から切り離された空間のようだ
心が安らぐ
少しは寝れそうだ
リビングを出て自室へ戻る