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ゆんしょ
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涼太の傷も癒えた頃季節は冬の始まり
涼太はタダで厄介になるのは悪いと屋敷の料理人に混ざって飯を作っている
その顔は凄く楽しそうだ
大介 涼太さんのご飯美味しいね
翔太 最初の頃は不味くて食べられたもんじゃなかったんだぜ
大介 そうなの?じゃあ翔太さんに美味しく食べてもらいたくて頑張ったんだね
笑顔で言う大介
次こそは翔太に美味いって言わせると試行錯誤をしていたな…
翔太 でも何時までもここに厄介になる訳には行かないよな…
大介 俺はいて欲しいけど、でも涼太さんの夢があるもんね
翔太 ああ…そうだな
涼太の夢の為には金がいる、俺に出来る事ってなんだ?
翔太 深澤、俺に出来る仕事は無いか?
深澤 何だよ急に
翔太 何時までもここに厄介になるつもりは無い
涼太と出て行くにしても金がいる
深澤 ああ、料理と踊りってやつだな
翔太 だから金が稼ぎたい
深澤 そうだな…明日まで待ってろ
何か考えがあるのか?
翌日深澤に呼び出される
そこには大介達もいた
深澤 昨日言ってた件なんだが
大介 あのね、俺の踊りの先生をしてほしいんだ
翔太 先生?
深澤 大介だけじゃない、お前のいた遊郭で筋のありそうな女を選んで教えてくれ
翔太 なんでそんな事を?
岩本 一応遊郭として残すには花魁がいないとな
深澤 代わりを用意してくれよ
蓮 見込みがありそうなのはいるか?
一緒に踊った事がある奴はいるが、代わりとなると難しい…一番見込みがあるのは…
翔太 一番見込みがあるのは大介だ
大介 え?俺?
深澤 やっぱりか…
翔太 やっぱりって、わかってたのかよ
深澤 お前が居なくなってからな、遊郭の女達に踊らせてみたんだよ、どうもぱっとしなかったんだよな
蓮 大介の舞は綺麗だからな
岩本 それでも誰か選ばないと春に間に合わない
大介 あ…春の道中
翔太 別に無理に出さなくてもいいだろ
深澤 いや、ヤクザもんが取り仕切ってるって知られてる以上出さなければ
蓮 評判はがた落ちだな
翔太 じゃあどうするんだ?
深澤 金は払う、時期花魁の指導と、出来たら
春の道中に出てくれ
翔太 は?俺が?
岩本 そこで華々しく引退発表するんだよ
深澤 身請けされたってな
大介 翔太さんの道中最後に見たい
涼太 俺も見たいよ
翔太 涼太…
深澤 後継が決まらなかったら…次が見つかるまでは大介がやる
大介 うん、だから次の人に教えられるように
翔太さん、俺の先生になって
翔太 お前…いいのか?
大介 うん、俺ね、ここで出来る事ってあんまり無いんだ…だから役に立つなら…頑張るよ
蓮 大介はこう見えてやると言ったら聞かないからな
翔太 そうか、わかった、俺の全てをお前に教えてやるよ
そうして大介への花魁としての指導をする事に
所作はまだまだだが踊りの飲み込みは早く歌も
とても綺麗な歌声だ
何故か目黒まで涼太から踊りを教えてもらっている…
大介 蓮ね、親父さんの前で披露したいんだって
だと
春になり道中が明日に迫る
翔太 これでお役御免だな
涼太 うん、明日が楽しみだよ
始まった花魁道中
花街の花魁が綺羅びやかに練り歩く
涼太 翔太が一番綺麗だよ
翔太 当たり前だ
俺の最後の道中とあって見物人も多い
深澤が選んだ上等な着物に簪
俺の後には次期花魁として大介
傘を持って歩く岩本と目黒
これが最後
凛として歩く俺
店の前で俺が身請けされ、次期花魁として大介を
紹介する
翔太 終わったな…
涼太 ああ、綺麗だったよ
その日の夜俺は涼太に抱かれた、道中の時に体に負担があってはいけないし跡がつけられ無いからと我慢してたと、優しく、でも激しく俺を抱いた
涼太 明後日にはここから出ようと思う
翔太 うん…そうだな
翌日涼太と二人で旅立つ事を伝えた
大介 淋しくなるね…
深澤 いつでも来ていいからな
岩本 お前等には助けられた、俺からの餞別がある、こっちへ来い
翔太 餞別?
屋敷の裏へ連れて行かれるとそこには無骨な馬車とそれを引く馬
涼太 これは…
深澤 中に料理に必要なもんと踊りに使えそうな着物が入れてある、お古だがな
翔太 こんな大層なもん、働きに合わねえよ
涼太 俺なんて料理の手伝いしただけです
蓮 俺に教えてくれた金も入ってる
翔太 それでもっ
大介 花魁としてのお疲れ様のお金も入ってるんだよ
岩本 つべこべ言わず受け取れ
深澤 俺達がお前等にしてやれるのはここまでだ
後は自分達でやっていけよ
翔太 深澤…皆んな…
涼太 翔太、有り難く受取ろう、そして俺達が色んな所でこの受けた恩を返して行こうよ
翔太 うん…そうだな
翌日身の回りの物を積み出発の準備が出来た
涼太 皆さん、お世話になりました、この御恩は一生忘れません
岩本 元気でな
深澤 無茶はするなよ
蓮 また来いよ
大介 翔太さん…ありがとう…元気で
翔太 ああ、大介も、皆んなもな
皆に見送られ俺達は旅立つ
途中の川沿いにある桜並木
翔太 綺麗だな
涼太 そうだね
はらりと落ちた桜の花びらを手に取り思い返す
翔太 色んな事があったな
涼太 うん…俺も翔太も…でもこれからを楽しんで行こうよ
伸ばした髪で隠れた傷が風に吹かれチラリと見えた
俺も涼太も大切な物を失った…でも
その大切な物を胸に抱き俺達は歩いてゆく
コメント
2件
好き❣️2人ともお幸せに❤️💙
第12話、読み終わりました…。翔太が最後の道中で凛として歩く姿、大介に「俺の全てを教えてやる」って言ったところ、すごく胸に来たよ。大切なものを失った二人が、それでも受け取った恩を胸に歩き出すラストが、桜の花びらと重なって綺麗だった。旅立ちの朝のやり取りも、みんなが翔太たちを想ってるのが伝わってきてじんわりした。続き、気になる…🌙