テラーノベル
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貴方は全てを理解することは出来ない
いつか、彷徨いの冥界で会いましょう。
「やっぱ、春と言えば桜だよな」
呑気に飯を食いながら桜を眺めているのが
ホークアイズの記録者
物怪瑠衣である
桜を見ることよりも飯を食うことに夢中になっている
まぁ…そこが良いところなのかと
思ってしまう。
そんな、瑠衣の隣に座っている
身長の高い、強面な奴は
同じくホークアイズの記録者
枯柳杖道である
今回の花見の食事を用意したのもおっさんである。
おっさんと呼ぶが年齢的にはそこまでおっさんではないが俺と瑠衣が若すぎるから故のあだ名だ。
「ほら、仁も食えよー!」
「うるせぇ…静かにしろ」
「はぁ!?、なんだよそれ!!」
「こんな時まで喧嘩はやめろ」
瑠衣が俺に喧嘩を売る
そして、俺はそれを受け流す
なんて、いつものことだ代わり映えのない
日常ただ俺はそれが良い
変わることなくこの3人で居られれば
他にはなにも望んでいない
だからこそ…瑠衣に対する恋心というものは永遠に口には出せない
そんな事を最近ずっと悩んでいる気がする
たった数秒…一秒でもこの当たり前が
続けば良いと柄でもないことを思ってしまう。
ただ…そんな当たり前が崩れるのは
意図も簡単だったのだ
あの日も…桜が満開の日だった
午前から午後に変わる数分前だった
テリーが1つの依頼を持ってきたのだ
その、依頼は不思議なものだった。
桜が人を殺すというものだった。
不思議な事件なんて当たり前というほどにくるそして、その全てが人間が起こすものであり
不思議…とはかけはなれたものだった
今回もそのようなものだろうと
軽い気持ちで行ったのだ
今と思えば…そんな依頼断れば良かったと思う瑠衣になにを言われようが断っていれば…瑠衣を傷つけずに済んだのではないかと思ってしまう
事件現場についた時
俺も瑠衣もおっさんも全員が思った
「でけぇ……」
皆が考えていたことを瑠衣が口に出す
瑠衣は思った事をなんでも口に出してしまうところがあるが今回は俺も同じことを考えていた。
おっさんの反応からも同じことを考えていたんだなと分かった。
それからは、速かった
人が死ぬ原因はただの自殺だった
桜の幹に巻かれた死体があった
その、死体は手首を切っており出血死だった。
桜の幹を壊すことは出来るかと聞くと
「構わない」と言われたので
おっさんと瑠衣に任せて木の幹を切ってもらうと中からは2、3体の死体と5つの骸骨があった
なぜ、桜の幹の中に死体が入っているのか
と、思ったが
依頼人がこの桜は特別なのだと言ったきり
なにも言わなかったので
探られたくないなにかがあるのだと思った
ので、深堀はしなかったが
おそらく…この桜の木の下にはそれ以上の死体があるのだと分かった
依頼が終わり、その日は遅いからと
依頼人が営んでいる旅館に泊まることにした。夜もふけていったころ、ふいに
瑠衣がいないことに気がついた
おっさんに聞くが知らないと言われ
なぜだか、とても嫌な予感がして
おっさんと2人で瑠衣を探しに出た
おっさんとは別行動をとり数十分後
俺は瑠衣を見つけた。
ホッとしたすぐあとに不思議なことに気がついた
瑠衣の目は焦点が合っておらず
フラフラしていた。
そんな状態でどこに向かっているのかと
気になってしまい、声をかけず尾行することにした。すると、瑠衣が向かった先は
日中ずっといた桜の場所だった
そこは、桜以外なにもなかったのだ
だから、こんなところに一体なにをしに来たのだと不思議に思っていると
瑠衣はどこからか刃物を取り出す
その瞬間、俺は無意識に瑠衣に近寄り
持っていた刃物を叩き落とした。
「なにしてる!!」
いつも、以上に大きな声を出したと思った
同時に瑠衣はこちらを見るが
その目に光は無く、ただボーッと俺を見ていた。それは、いつもふざけ笑っている
明るい青年ではなく
何もかもを投げ捨てたかと思うほど
暗い青年だった。
「瑠衣…?」
そんな、瑠衣を見ているのが辛くなり
俺は瑠衣の名を口に出しながら瑠衣の肩を揺らす。
戻ってくれと思っていると
だんだんと目に光が戻ってきたのだ
数分経つと瑠衣は俺の目を見た
いつもの、明るく綺麗な目で
「仁?…どうしたんだよ、てか、ここ何処だよ」
「覚えてないのか」
「覚えてないのかって…覚えてねぇよ」
嘘をついているようには到底思えず
とりあえず、春だからといっても
ここは…とても冷えたので
とりあえず、瑠衣を連れておっさんの居るところに戻ることにした。
瑠衣の腕を掴むと、とても冷えていたので
俺は来ていた上着を瑠衣に貸してやると
瑠衣はほんの少し顔を赤くしながら
「ありがとう!」と笑いながら言った
この笑顔が見られるなら
俺はなんでもお前に捧げよう
なんて、くそでか感情を抱えて帰った
戻ると瑠衣はおっさんと俺にこっぴどく叱られたが当の本人は記憶が無いと言うので
責めに責めれず
説教は1時間ほどで終わった。
翌日、事務所に帰る支度をし
車に乗ろうとしたとき、依頼人から止められた。
「なんだ」
「本日は、ご依頼を受けてくださりありがとうございました。
あの、桜は西行妖と言いまして人の死を媒介にし美しい桜を咲かす桜なのでございます。あの、桜に呼ばれた方は無意識のうちに桜の下で自害をする…と言われておりましたがまさか…本当に起こるとは思っておりませんでした。なので…貴重なデータをありがとうございました。」
淡々と語り出す依頼人の目は生きている者とは思えないほど…暗くよどんでいた。
帰りの車で考えたことは
あの、依頼人達が俺らに本当にしてほしかったことは桜の下で起こる死ではなく
どのように桜におびき寄せられるのか…そんなデータをとりたかったんだろう。
それを、知ったとき、久しぶりに
背筋がゾッとした。
あのとき…少しでも瑠衣の発見に遅れていたら、気づかず放置していたら、そんな事を考えると
今でも思う、世の中には
到底、人が立ち入れることが出来ない場所があるんだと。
コメント
5件
どうなりますの?
今回お借りしたのは 少女フラクタルさん 彷徨いの冥~天~です 今回からちょくちょくこういうのを出していこうと思うのでよろしくお願いいたします。 そして、リクエスト募集してます。 好きな曲やってほしいとおもったら気軽にリクエストしてください キャラクターも言ってくれると嬉しいです【ハンドレットノート様のみで】 この短編集全体公開か一部公開どっちが良いかも教えてくれると嬉しいです。
第1話読み終えたよ〜!!✨ 最初の花見のほのぼの日常から一転、桜にまつわる不気味な事件に引き込まれる感じがたまらなかった…😭💕 特に瑠衣が無意識に桜の下で自害しようとするシーン、仁が肩揺らして正気に戻すとこ、めっちゃエモかった…! あと依頼人の「貴重なデータありがとう」の冷たさ、ゾッとした…「西行妖」って名前もダークで好き。続きが気になる〜!!🌸
炭酸@サイダー
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#愛され
あんこ
154
ましろ🩵🎤🎧🩶
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