魔王を倒して数日後
カールリィ王国 首都 ヴェルツィ
国王に呼ばれて凱旋パレードをした。
「英雄様!」だの「きゃー!」だの、国民が喜んでくれてるからいいっちゃいいけど、流石にあんな一方的に倒したもんで、なんか気まずいってレベルじゃなかった。
ほら、普通は聖剣エクスなんちゃらとかで、エルフとか魔術師とか修道士とかを仲間につけて楽しくあははでやるもんじゃん、 なんだ無時間移動って、舐めんなよ魔王討伐。
王宮に着くと、少々若めの国王は片膝をついて頭を下げる俺に対して
「えっ、1人で?魔法使いと勇者兼ねてんの?最強じゃない?2週間だよ?召喚してから。」
てな事を仰っていた、ド正論です陛下。私は30mm機関砲を使って魔王を倒しました、修行時間抜けば1時間かかりません陛下。
長い祝辞を側近やら大臣が述べたあと、パーティーが開かれた。
甘いラム酒のようなお酒を飲んでいると、国王と側近が近寄ってくる
「これは…陛下。」
頭を下げると、側近は「頭をあげなさい、陛下からお話が。」と言う
2000人余りが参加するパーティーなので話は雑音まみれだったが、聞き取れた。
「この後は何がしたい?勇者を続けるも良し、冒険者になるのも良し、農民になるのも良し、兵士になるのなら歓迎して中将の階級を入れよう」
━━━━そうか、魔王が消えた今、ここは私が50年かけて望んだ完全なる平和なのだ。もう誰も死なずに済む、なら夢を探そう…
そういえば、私は兵士になる前は…
声が透き通らない様な雑音の中で、精一杯酸素を肺に溜め、国王に向かって言う。
「学校の先生をやらせて頂けませんか!」
生まれて初めて、目上に本当の自分をさらけ出した瞬間だった。
12年後 ヴェルツィ高等魔術学校
私は人に比べ、歳を取るのが15倍ほど遅いようだ、つまりあと3年、年は取れない。
この学校の
生徒はレベルに分けられている。
100~は特別待遇生
80~99は高等特別生
50~79は特別生
20~49は特進生
2~19は通常生
1は…最悪だ。
この学校でレベル1は俺だけ、というか元々の経験値が高すぎて黒龍を70体くらい倒さないとレベル値が上がらない。
国王は私の「先生になりたい!」という願いを素晴らしい!と歓迎してくれたが、その周辺はよく思っておらず、レベル1の俺を底辺クラスに分けるこの学校へ入れた。
今の俺はクラウス・オッフェンバーグ
実は4年前まで初学級魔法学校でモンスターとかの生徒たちと仲が良かったが…
その時、1人の女子生徒とぶつかる
「おお!大丈夫かい?」
女子生徒は友達の手を掴んだ
「はい…って…うわ…」
その子はレベル61だった。
友達の肩を持って急いで逃げた。
「最悪、1レベの服ついたんだけど。」
……こんな具合
俺は隅っこでだいぶ落ち込む
辞めたい時もあるが、たまに良い話だと聞いてくれる生徒も居る。
…しかし落ち込むものだ。
あの時のスライムとかオクトパ…じゃなくてクラーケンとかドラゴンとか元気だろうか?星のモンスターも居たな、、、
俺は不規則の1レベ…悲しいぜ。
職員室では俺の正体を知っている古参勢の先生と、全く知らず扱き使う先生に分かれている。
「…アルゴ先生、ぜってぇ俺の事嫌いだよなぁ。悲し」
すると、同じ年に入ったジリス先生が言う
「まあまあ、先生が最強の勇者だって事は間違いないんですから…」
俺が持つ第7普通生クラスでも俺は下に見られてる、真面目に授業受ける人も居るけど。
そういえば、今日は転入生が来るっけ?
俺は書類を持って歩いていると、角で女子生徒とぶつかってしまった。
書類は固定魔法で大丈夫だが、女子生徒が心配だ。
青紫色のショートヘアの子だった
書類を置いて埃を払ってあげると
「ありがとうございます」
だけ言って、行ってしまった。
…久しぶりに嫌われなかった気がする
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