テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
…喉が渇いたな。
夜、目が覚めたタイミングで
飲み物がないことに気づき、
食堂まで足を運ぶ。
杖なしでだいぶ歩けるようになったな。
静かだ。
みんな寝静まって人なんて誰もいない。
…と思っていた。
人気のない廊下で誰かが歩いてきた。
それが誰かわかった時、
心臓がどくんと跳ねた。
ぺこっと会釈をして通り過ぎようとした時、
「…この間は随分と楽しそうだったな」
声をかけられた。
「…え?」
「俺には目も合わせねぇくせに」
何を言われてるのかわからなかった。
「なぜ俺を避ける」
「そんな、避けてなんて…」
「俺が何をした」
「そ、それは…」
「◯◯」
低く響く声で名前を呼ばれる。
「こっちを見ろ」
距離を詰められ逃げ場を失う。
顔を上げると、月明かりに照らされた
上官の顔が目の前にあった。
その瞳に吸い込まれそうになる。
同時にフラッシュバックする記憶に
一気に顔が熱くなる。
「…なんだ、その顔は」
「な、なんでもありません」
「なんでもねぇ顔じゃねぇだろ」
逃がさないとばかりに彼は
私の瞳をじっと見据える。
「教えろ。お前は何を考えてる」
私を捉えるその瞳を見て、
初めから逃げ場などないことを知った。
コメント
1件
みぅだよ🥀 24話、読んだよ。 夜の静けさの中で上官に問い詰められるあの空気感、すごくリアルだった…「こっちを見ろ」って低く響く声に、こっちまで息をのんだ。フラッシュバックする記憶と、逃げ場を失う感じが切なくて、胸がぎゅってなったよ。 さたんさんの描く距離感が、本当に好きです。次も楽しみにしてるね🌙
#夢小説
さらん
3,884
さたん📖🕊️
22
#不定期更新