テラーノベル
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「教えろ。お前は何を考えてる」
私を捉えるその瞳から
目を逸らしたくても逸らせない。
「な、何も考えてません…」
「嘘だな。何も考えてない奴が
こうも徹底的に俺を避けるわけがねぇ」
かろうじて絞り出した返答を即否定される。
「俺の目を見て答えろ。
なぜ避ける。
その表情にはなんの意味がある」
“逃す気はない”
兵長の目がそう言っているようだった。
あぁ、もうどうなってもいいや。
「ど、ドキドキするんです!!」
予想外の返答に
兵長は一瞬眉をひそめる。
「兵長に会うと、思い出すから…
医務室まで運んでくれたあの時間。
近くで見る兵長の顔。
熱を出した日の兵長の指先の温度。
そういうの全部蘇ってきて
どんな顔して会えばいいか
わからなかったんです…」
あぁ、恥ずかしすぎて消えてしまいたい…
「……」
「…あの兵長、なんか言ってください…」
「…エルドでも同じか」
「…はい?」
「俺じゃなくて他の奴でも
同じようになるのか」
質問の意図も、
なぜエルドさんが出てくるのかも
わからなかったけど、私は答えた。
「それは…わかりません。
そうなってみないことには…
でも実際、階段から落ちそうだったのを
助けてくれたのは兵長で、
抱きかかえられてドキドキしたのも兵長で、
こんなふうになったのは兵長が初めてです。」
「答えになってますかね…」
「…ずりぃ答え方だな」
「そうですよね…」
「もうひとつ聞いていいか」
一拍置いて、兵長が尋ねる。
「なぜ俺だとそうなる。
お前は俺をどう思ってるんだ」
核心をつく兵長の質問に
パニックになった。
「えぇ…わ、わからないんですか!?」
「わからねぇから聞いてんだ」
「そ、そんなの自分で考えてください!!」
「◯◯」
真っ直ぐ目を見て名前を呼ばれる。
ずるい。
そんなのもう逃げられない。
「…す、好きだからですよ!!!
兵長のことが好きだから
どうしようもなく意識して
自分が自分じゃなくなっちゃうんです!!!」
あぁ、言ってしまった。
こんな赤裸々にさらけ出すことになるとは
思わなかった。
「…そうか」
「それだけですか…」
「俺も今混乱している」
終始表情の変わらないこの上官が
混乱してるようには見えず
少し可笑しくなった。
「兵長、私からも聞いていいですか」
「何だ」
コメント
1件
さたん📖🕊️さん、第25話読ませていただきました! 主人公がついに本音を曝け出すシーン、すごく切なくてドキドキしました。「兵長が初めてです」って返すところ、あの真っ直ぐさが愛おしいですね。そして「ずりぃ答え方だな」と返す兵長の困惑も伝わってきて…最後の「俺も混乱している」には思わず笑みがこぼれました。お互いが自分の気持ちに戸惑っているのがたまらないです。続きが気になります!素敵なエピソードをありがとうございます🌷
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さらん
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さたん📖🕊️
22
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