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夕日がベンチを照らして,ベンチは茶色に混ざったオレンジ色に変わり、座っていた自分も半分オレンジに染められ、風が吹く。
風に操られているように、草がヒラヒラと風の向かう方へ向いていて、少し寒気がした。
背筋がヒヤヒヤしながらも,夕方の弁当を食べ続ける。
相変わらず、夕日はだんだん下がってゆき、最終的に空の明るさも消え、大雨が降った。
濡れながらも傘もささずに、目の前の古いマンションの屋上まで向かう。
エレベーターはなくて、階段はカビが生えている。
屋上に着いた時、
「ありがとう」
そう行って、飛び降りる。
でも、降りた瞬間、死にたくないという気持ちが蘇って、涙を浮かべたまま落ちる。