第16話「肌に触れる指」
「――これはなかなか、面白い展開になってきてますねぇ」
沢木光春と高郷菜緒美がいる建物近く、ショッピングモールがあるビルの中。
島雪穂は、イヤホン越しの音を聞いていた。
話し声と、物音。
拾っているのは、菜緒美に持たせた盗聴器からだ。
「何か言った? 雪穂」
「なんにも言ってないですよぉ?」
「カズナカズナ! これなぁに? この、ウサギが書いてあるの」
「これ? ポーチだけど」
「ぽーち? ぽてとちっぷ?」
「じゃなくて……色んなものを入れる、入れ物だよ」
「入れ物……袋ってコト?」
「うーん、そうだね……」
雪穂の横には、彼女の先輩である一之宮寿奈と、光春のイトコ(のフリをしている)のリコがいた。
はしゃぐリコとそれを見守る寿奈の姿は、仲の良い姉妹のよう。
リコと寿奈の様子を見ながら――雪穂はイヤホンに集中していた。
盗聴できる***************
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