コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ずっと一緒にいたいと言ったくせに、橋本の躰をパッと手放してから起き上がる。宮本を抱きしめていた両腕も、そのせいで外れてしまった。
繋がっているのは、下半身のみ――。
カーテンの隙間から入ってくる街灯の明かりが、宮本の目元を照らしていて、しょんぼりしながら自分を見下ろしているのがわかった。
「雅輝?」
「明日の朝が早い陽さんを、とっとと寝かせなきゃいけないことがわかっているのにね。こうして感じてる姿を目の当たりにするだけで、もっともっと欲しくなる」
くしゃっと曖昧な表情で顔を歪ませつつ、腰を前後に激しく振りはじめた。いきなりはじまった行為に寂しさを感じたが、自分のことを考えて行動してくれる宮本に、愛おしさを覚える。
「ま、雅輝ぃっ、っは…ぁ、ん」
「陽さん、すごく気持ちいいっ! エロい顔も最高だ、よっ」
「そんな、のっ…してなぃっ、ふ、あぁ……」
暗がりで見えないはずの表情を言い当てられて、何だか恥ずかしくなったので、横を向きながら片手で顔を覆い隠した。
「そういう仕草がっ…いちいちかわいいんだから。ねっ陽さん」
照れる橋本を尻目に、宮本は左足を持ち上げるなり、それを抱きしめながらぐいぐい腰を動かしていく。
「んくっ…や…め、っんん……」
「これ、角度によってはっ、気持ちいいところに当たるでしょ。最近、気がついたんだよね。陽さんの中、びくびくしてる、よ」
「んっ…は…ぁっ!」
「もっ我慢できないっ、名器すぎるんだからっ!」
橋本の喘ぎ声を隠すような肌と肌のぶつかる音と一緒に、ぐちゅぐちゅという水音も激しさを増して聞こえてくる。
「ば、バカっ…文句を言う、なって。遠慮せ、ずにイ、ケよっ」
「陽さん、陽さん大好きぃっ、イクっ!」
「雅輝っいっ、いっぱぃ……出してくれっ」
脈打ちながら中で達した宮本の熱を、じんわりと噛みしめた。それを感じるだけで橋本も一緒にイった気分になり、同時に幸せを味わうことができた。
ドクンと何度も注がれる熱を感じつつ、大好きな男をとことんまで感じさせることができた幸せを、じんわり噛みしめていたら――。
「ねぇ陽さん、どうするのコレ?」
「コレ?」
呆れた声に導かれて、顔を上げながら宮本の視線の先を辿ると、橋本の下半身をねっこり見ているのがわかった。
(ヤバいと思って慌ててソレを隠しても遅いけど、隠さずにはいられねぇだろ!)
「こっこれについてはだな、刺激を与えずに放っておけば、そのうちにでも落ち着くだろう、うん!」
宮本のラストスパートで感じてしまったせいで、思いっきり完勃ちした自身について、視線を右往左往して必死に誤魔化す。今更感が否めないのは、ご愛嬌にしてほしいと思っても、恋人はそれを見逃すはずがないだろう。
だって、宮本なんだから――。
両手でソレを隠していても、恥ずかしさが拭えなかったので、掴まれていた片足を何とか奪取し、もじもじしながら両膝を使って下半身を覆い隠した。
すると繋がれていた宮本のモノが引き抜かれたので、今だと言わんばかりにさっさと布団をかぶせて、もう寝るぞということを自動的にアピールする。
「ほらほら、おまえもさっさと後片付けして、とっとと寝なきゃダメだろ。寝不足はドライバーとして、絶対にやっちゃいけないことなんだからな!」
「そういう陽さんこそ、ドロドロになってる部分を拭かなきゃダメですよ。はい、テッシュ!」
「ぉ、おう……」
手渡されたテッシュで指摘されたところを拭おうとした途端に、布団がたくし上げられた。
「雅輝、これ以上刺激を与えるなって。放置してくれよ」
間髪入れずに懇願した橋本を尻目に、手早くゴムをつけた宮本が、イヤらしさを漂わせるにんまりとした笑顔で迫ってきた。
「恋人のモノが完勃ちしているのに、そのまま放置なんてありえないでしょ。とことんまでイかせてあげなきゃ!」
「わざわざイカせなくていいって! おまえだってイったあとでそんなのっ、ああああああっ」
「目の前に美味しそうなコーナーがあったら、攻めずにはいられないでしょ。そういうことですっ!」
宮本の告げた『美味しそうなコーナー』の意味がわからないまま、第四回戦が続行され、円座クッションを用意しなきゃいけないだろうなと思わされた橋本だった。