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「……あなたがいないと、生きていけない」
震える唇から零れ落ちたその言葉は、重く湿った空気が淀む暗い寝室に、呪いのように、けれどこの世で最も甘美な調べとなって響き渡った。
その瞬間、角名倫太郎の三白眼が、歓喜と狂気に濁って細められる。
彼は、この瞬間だけを、飢えた獣のように待ち続けていた。
図書室で静かに包囲網を敷き、体育館の死角でマーキングを施し、合宿所の暗闇で精神を削り取り、そしてこの部屋で彼女の「外の世界」への未練を根こそぎ焼き払ってきた。
すべては、彼女自身に「自分は角名倫太郎なしでは呼吸さえもできない無力な所有物である」と認めさせるため。
攻略不可だったはずの境界線は、今、紬自身の絶望に満ちた同意によって、跡形もなく消滅したのだ。
「……あは、やっと言えたね。……嬉しいよ、紬。……最高の気分だわ」
角名さんは低く、喉の奥で震えるような笑い声を漏らすと、呆然と横たわる紬の細い身体を、逃げ場を完璧に塞ぐようにして組み敷いた。
昨夜までの「教育」には、まだ獲物を壊さないように手加減する、冷徹な観察者の余裕があった。けれど今夜の彼は、まるで別人のように熱く、剥き出しの飢餓感を隠そうともしない。
「っ……、……すな、さん……っ、あ……っ、」
「……ねぇ、紬。君、自分が今、正式に俺のものになった自覚、ちゃんとある? ……口だけじゃないよね。……身体の芯まで、俺の熱で分からせてあげないと」
角名さんは、紬が着ていた——もはや「学校」という過去の残骸でしかない制服のブラウスを、無慈悲に、けれど儀式を執り行う司祭のようにゆっくりと、一枚ずつ剥ぎ取っていく。
露わになった彼女の白い肌には、昨日までに彼が狂ったように刻み付けた赤黒い痕跡が、まるで夜の闇に浮かび上がる毒々しい桜のように、点々と、執拗に散らばっている。
彼はその一つひとつを、自分の領土を確認するように熱い舌で丁寧に、ねっとりとなぞり、さらにその上から、より深く、より消えない「独占の刻印」を力強く上書きしていく。
「……っん、……あ、……いたい、……すなさん、……だめ……っ!」
「痛い? ……いいよ、もっと鳴いて。……今まで、他の男の汚い視線に晒されて、不浄な空気に触れてきた君の身体。……俺が今夜、一晩中かけて、全部この熱で浄化してあげるから。……俺の色以外、一ミリも残さないであげる」
角名さんの、長く骨ばった指先が、紬の柔らかな肌に深く、食い込むほどの強さで突き立てられる。
彼は彼女の耳たぶを、逃がさないと言わんばかりに甘く噛み砕き、そのまま首筋、鎖骨、そして激しく、絶望的に脈打つ心臓の真上へと、吸い付くように熱い唇を這わせていく。
「……いい? 今夜は一秒も寝かせないよ。……君が俺のことしか考えられなくなるまで、俺の名前を呼びすぎて、その可愛い声が完全に枯れ果てるまで。……たっぷり『罰』を与えてあげる。……俺をここまで狂わせた、悪い子への、最高のご褒美だよ」
角名さんの低い、湿度を帯びた囁きが、紬の鼓膜を、理性を、そして魂の最深部をじりじりと、逃げ場を奪うように焼いていく。
紬は、彼に蹂躙される激しい痛みのなかに、自分でも気づかないほどの、底知れない安らぎを見出していた。
彼に壊され、彼に汚され、彼に支配されることでしか、もはや自分の存在意義を見出すことができない。
そう徹底的に調教され、思い込まされた彼女の細い指先は、自分を地獄へと引きずり込む張本人の逞しい背中に、縋り付くようにして深く、深く爪を立てていた。
「……あ、……すなさん、……だいすき、……っ、もっと……、わからせて……っ!」
「……あは、可愛い。……そうだよ、紬。……俺だけを見て、俺だけに縋ってればいい。……君の人生、俺が責任持って全部、めちゃくちゃにして、愛し抜いてあげるから」
窓のない、暗い密室の中。
二人の混じり合う熱い吐息と、肌が激しくぶつかり合う湿った音だけが、永遠のように、規則正しく繰り返される。
それは、恋人同士の喜ばしい初夜というにはあまりに歪で、暴力的なまでの、一方的な「所有の儀式」。
攻略完了の、その先の深淵。
二人は、光の届かない「独占」という名の愛の奈落へと、共に、幸せそうに深く、深く堕ちていった。
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h書けないのですみません、、
ではアデュー「?」
