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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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#オフィスラブ
草原草原

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失恋して落ち込む日が続く中、私は四月から無事に社会人になった。
たいした取り柄もない私を雇ってくれたジニアールには本当に感謝している。
そんな気持ちもあって、所属された商品部で毎日懸命に働いていたら、ある日伊地知部長から労いの言葉をもらった。
「仕事はね、うまくいかないときもあるけど、努力して成果が出たら楽しくなるからね」
自分では無自覚だったけれど、私は時折暗い顔をしていたらしいので、プライベートでなにかあったと部長はきっと勘づいていたのだろう。
いつまでも失恋を心に留め置くのではなく、前に進まなければいけないのは自分でもわかっている。だから一旦、恋愛に関しては目を背けることにした。
仕事で褒められると承認欲求が満たされるからか、恋愛という道を塞がれた私は次第に仕事にまい進するようになり、あっという間に三年が過ぎた。
恋愛から遠ざかっているとはいえ、縁がある人とは自然に出会って恋に落ちるはずだ。どうせなら次は運命的な出会い方をしたい。
仕事中にふと、社内誌に載っている神谷社長の写真が視界に入った。私にとっては雲の上の人だ。
社長は本当に綺麗な顔立ちだから、芸能人を見ている感覚で胸がときめく。
それだけで充分だったのに、祖父を通じて接点ができたのは奇跡だとしか思えない。
「冴実の元カレ、また恋人と別れたらしいよ」
仕事が終わったあと、久しぶりに彩羽と食事をしに来たら、どうでもいいけどと前置きをしながら彼女が急に加那太の話題を出した。
彩羽は加那太の友達と今でも交流があるので、時折彼の情報が自然と耳に入ってくるらしい。
彩羽が“また”と口にしたのは、加那太と百合菜は社会人になってからすぐに別れたからだ。今の話は、そのあとに出来た恋人のことだろう。
私は食後に注文したアイスティーの氷をストローでくるくるとかき混ぜながら「ふぅん」と軽く相槌を打った。
ちなみに私が加那太と会ったのはフレンチレストランで食事をした日が最後で、以降連絡は一度も取っていない。
「今回はなんで別れたの?」
「それが……彼女にほかに好きな人ができて、加那太くんが振られたみたい」
百合菜との交際のときも、加那太が振られたのだと噂で聞いた。
ふたりになにがあったかは私にわかる由もないけれど、どうやらうまくはいかなかったようだ。
「ざまあみろだよ。冴実を都合のいい女扱いして傷つけたことを私はまだ許してないからね」
「ありがとう。でももう昔の話だよ。私も幼かったから」
「結局身体目当てだったのよ。だからって、彼女の友達に手を出すなんて最低だわ」
恋愛は自分ひとりががんばってもダメだと、私は加那太と付き合って思い知った。
見たくないものに蓋をして気付かないふりをすると、いずれ限界が来ることも――。
あのとき冷静でいられたら、最初から加那太が私に本気ではないと感じ取れていたかもしれないし、二股にも気付けていたかもしれない。
一般的に男性が浮気をする理由は、寂しさとか彼女からの愛情表現不足もあるけれど、結局は相手に不満があるからなのだとこの前読んだ雑誌に書いてあった。
加那太は男だから、キスより先に進まない私に相当不満が募っていたのだろう。
そんなふうに考えを巡らせていると、テーブルに置いていたスマホがメッセージの着信を告げた。
画面に表示された“神谷朝陽”の名前を目にした途端、自動的に鼓動が速まっていく。
『今日は家族で外で食事をした。懐石料理だったんだけど、じいさんが今度は君と一緒に来たいって言ってたよ』
メッセージにそう書かれていたので、『お疲れ様です。私も今日は友人と食事をしていました。家に帰ったら祖父を通じて話があるかもしれないですね』と返信の文章を打ち込む。
「ねぇ、冴実……彼氏できた?」
コメント
1件
ええ〜!冴実ちゃんついに社会人になってから3年も経ったんだね…!時の流れ感じる😢💕 加那太くんがまたフラれたって話、彩羽ちゃんが「ざまあみろ」って言ってくれてるのがなんかグッときた〜!友達ってほんと大事だよね😭✨ そして何より最後の神谷社長からのメッセージ…!「鼓動が速まっていく」って描写にマジで胸きゅんきた…!!これは新しい恋の予感しかしない…🌸 続き気になりすぎるよ〜!!