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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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#オフィスラブ
草原草原

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正面に座る彩羽からニヤニヤとした笑みを向けられ、私はあわててブンブンと首を横に振る。
「できてないよ!」
「じゃあ今のは誰? すごくときめいてるみたいだけど?」
「そ、そんなことは……」
「顔が真っ赤」
指摘をされてすぐに頬に手を当ててみたら驚くほど熱くなっていて、あわててパタパタと両手で顔に風を送る。
自分がこれほど正直に顔に出るタイプだとは今まで思っていなかった。
「彼氏じゃないとしても、冴実に好きな人ができてよかった」
ホッとしたとばかりに微笑みながら胸をなでおろす彩羽を見て、私もクスリと笑みをこぼす。
加那太に振られて傷心したままの私を、彼女はずっと案じてくれていたのだろう。
「ところでどこで知り合ったの? 会社の人?」
「そうなんだけど……実はね、社長なんだ」
「え! あのイケメン社長?」
私が入社する前、神谷社長がインタビューを受けて掲載されたビジネス雑誌を彩羽に見せたことがある。
雑誌の写真がとてもイケメンに写っていたから、彼女の頭の中にも強く印象に残っていたようだ。
私は彩羽に、どうして社長とメッセージのやり取りをする関係になったのか、祖父同士が以前から友人だったことも含めてすべて話して聞かせた。
「意外なところに縁って落ちているものなんだね」
腕組みをしながら感心したように聞き入る彩羽に対し、私は首をかしげた。
「縁があったって、私には手が届かない人だから……無理だよね」
「冴実が勇気を出して手を伸ばそうとしていないだけで、届くかもしれないよ。というか、もう好きになってるんじゃないの?」
彩羽にそう言われ、私は社長を本気で好きにならないようにずっと気持ちを抑えていたけれど、すでに手遅れになっていると気付いた。
社長からのメッセージひとつで胸が躍る。うれしくてたまらないのは、恋をしているからだ。
「全力で恋をするのが怖いの。私には軽い恋愛は無理だから、絶対にまた一生懸命になっちゃうし」
私は加那太との恋愛がトラウマになり、それからずっと新しい恋をしようとは思えなかった。
また誰かを好きなって、ひとりで空回りしてしまわないかと恐れる気持ちが強い。
「冴実はさ、全力になる相手を間違えただけだよ。一途なのは悪いことじゃない」
「そう言ってもらえると救われる」
「臆病にならずに、自分の気持ちに正直になってほしい」
彩羽の言葉に苦笑いしながらうなずく。よく考え、しっかりと自分の気持ちと向き合おうと思った。
コメント
1件
わかるー!冴実の「顔真っ赤」からのパタパタ風を送る動作、すごく可愛くて共感しちゃった。彩羽の「一途なのは悪いことじゃない」って言葉がめっちゃ沁みる。加那太のトラウマに縛られず、社長への恋を素直に認めていこうとするラスト、じーんと来たよ。親友の存在が冴実を支えてて、その温かさが伝わってくるエピソードだった。