テラーノベル
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___knt side
あの後、3人は話すことがあるらしく自分一人で帰ることになった。
『…仲間はずれとか信じられないんですけどー』
いつもの道を歩きながらブツブツと呟く。あの3人を疑っている訳ではないが1人にされた事が悔しいのだ
『なーんかアキラとひばは元気ないし…そんな僕がαになったことショックだったのか?』
アキラとひばはΩだし、やっぱりαは怖いのだろうか?…いやでもセラもαだしそんな訳ではないのか
そこら辺にあった石ころを蹴りながら、考える
自分がαになった事は正直信じられない。心にぽっかり穴が空いたような空白があるような
埋めようと思っても、埋められないナニカがここにある。でもそれが何かは分からない
まだ心がついていけてないのだろうか
___どちらにせよ、早く家に帰って休みたい
鞄からスマホを取り出してイヤフォンを取り出す。なにか気分転換に音楽でも聴くか
適当に人気な曲をタップし、イヤフォンをつける
今もまだ3人のことが頭から離れないが、それを掻き消すようにして再生ボタンを押した
自分の部屋の前までつき、ポケットに入れてあった鍵を取り出す
鍵口に差し込んで捻ると、ガチャという錆びた音がした。
あー、でもやっぱり
『もう甘い匂いはしないんだな』
ん、?
『……?甘い匂い?』
___なんだ甘い匂いって。
僕の部屋の周りで甘い匂いとかしたことあったっけ。いや、ないよな
『なに…いってんだ、俺』
これがあれか、”存在しない記憶”ってやつ?やばい、僕疲れちゃってんだわ。ほんと
玄関のドアを開き、中に入る
いつもと変わらない部屋
靴を脱いで鞄を置く
制服を適当に脱ぎ、ベットに寝転がった。
柔軟剤の香りが鼻腔を満たす
___落ち着く
このまま寝てしまおうか。
いやでもお風呂に入んないと汚いよな
でもお風呂入んのめんどいなあ、
あーーー、明日の朝入ればいいや
『…なんか、疲れた』
何かを考えるのもめんどくさくなり、思考を放棄する。
もういいや、こんまま寝ちゃお
_____________ポーン
________ピンポーン
__ピンポーン
『…ん”………誰、』
インターフォンの音で目を覚ます。
たく、誰?寝てたんですけど、今
半ばひったくるように携帯の画面を開く
時刻は夜の22:00を指していてため息をつく
イライラする気持ちを隠さずにインターフォンを覗き込む
外は暗く、逆光で顔が見えない。
『はーい…?どちら様ですか』
「”…あ、奏斗!”」
特有の声。
この声の持ち主は___
『え、雲雀!?今開けるわ』
「”ん!ありがと!”」
そう、渡会雲雀だったのだ
なんで来たのかは後で聞くことにして、ひとまず玄関の扉を開けると元気そうな顔をした雲雀と目があった
「こんな夜中にごめんな」
『それは大丈夫なんだけど、なんかあったの?』
「んーなんか顔見たくなったから」
雲雀はにかんでそう言った。
これだから天然人タラシは、と思いながらも雲雀を家に招き入れる
『というか珍しーね。ひばが僕の部屋に来るなんて』
「…ぁ、 うん!そうやな!」
一瞬、なんとも言えない顔をした後
雲雀はまたいつもと変わらない笑顔で笑った
___なんか隠してんな
何を隠しているかは分からないが、長年一緒にいたのも相まってすぐ異変には気づけた。
ここで聞くのもいいが、きっと雲雀は答えないだろう。
まあ、僕が口出す資格もないしな
『あ、飲み物なんがいい?と言ってもコーラしかないけど』
「ん、コーラで全然えーよ」
雲雀は床に座って、携帯を弄り始めた。なにか話したいことがあるかと思ったけど、そんな感じでもなさそうだな
適当なコップにコーラを注ぎ雲雀の前に出す。ひばはお礼を言うとコーラを飲み始めた
『それでー?こんな夜遅くに来たのって本当に僕の顔見たかっただけなの?』
「…んー…いや、それもあるんやけどさ」
「……なんか、寂しくなって」
そういう雲雀の顔はどこか悲しそうで、少し目を開く
『寂しく?なになに、心細くなったとか』
雲雀は首を横に振ると、なんだかなー、と呟いてベットに頭を預けた
「…俺のこと、苦手だったのかなーってさ、」
『…はあ?誰が?』
素っ頓狂な声が口から飛び出す。雲雀の事が苦手っていう人見た事ないんだけど。妬みとか嫉妬とかで悪口言う奴はいるんだろうけど、雲雀そんなこと気にしないし。
だけど、目の前の雲雀は苦しそうな表情をして、”誰か”のことを気にしているようだった
…あ、分かっちゃったかも
「…誰っていうか、その、……」
『ひば、その人のこと好きなんだ?』
閃いたような声でそういうと、雲雀の目が見開かれた。と、思えばどんどんと顔が青ざめていく___あれ、なんか、想像してた反応と違う
もっと、照れた様子で否定するかと思った自分とは裏腹に、 雲雀は顔を真っ青にして信じたくないように表情を歪めた
「ちがッ、違うッ!!好きじゃな、ッ…俺は、!」
「俺は…っ、…」
『雲雀!?』
雲雀は額に汗を滲ませると、ふらっと体を傾けて床に倒れた。雲雀の名前を呼んでも返答はない。代わりに「ぅ”…」と小さい呻き声が聞こえてきた。
おかしい、こんなに取り乱す雲雀は見た事がなかった
まるでトラウマがフラッシュバックしたような、認めたくない何かがそこにあるみたいに雲雀は顔を青ざめていた。
『……何隠してん の、雲雀は…』
呻き声を上げている雲雀の頬をゆっくりと撫でる。額には汗が滲んでおり、身体を持ち上げると異様に軽いことに気づいた。
ちゃんと飯食べてんのか?
ベットに雲雀を下ろし、毛布を掛ける
落ち着いたのだろうか、険しくない顔つきへと変わっていく
次の瞬間には普通の寝顔になった
『…どーするかね、これ』
倒れた理由も分からないし、
なんであんなに焦ってたかも全然分かんない
はぁ、とため息をついて雲雀の横に腰を下ろす
今はただ相棒の目が覚めるのを待つだけだった
⚠️絵通ります
______
風楽カナちゃんです
カナちゃん可愛い
コメント
7件
え!!カナちゃんめっちゃ可愛い〜💕🫶 記憶を失った側の目線いいですね⋯🤔 結ばれても結ばれなかったとしても奏斗には雲雀への気持ちは思い出してけど、やっぱり2人で幸せになるところが見たいな😭😭 いつも素敵な作品をありがとうございます💕🫶これからもがんばってください〜!!
早く二人付き合ってくれ…!!奏斗…記憶戻ってくれ、!、ヒバは何で青ざめたんだろ…、めちゃくちゃカナちゃん可愛すぎる!!!イラストも小説も上手いとかなんなんですか!?最高ですか、
私はknhbがくっつくと信じてるぞ!!!!!!!!!! だから早くkntも思い出してくれー😭 イラストまじ毎回可愛いです最高です😍😍😍😍