私、橋姫
人間を恐怖に陥れるため、人間の文化を調べてる
「名前なに?」
「橋姫」
「妖怪の方じゃなくて」
変な事を言う
「私は橋姫だよ」
「名前も?」
「うん」
「橋姫ちゃんね 覚えた」
「人間の名前は何なの?」
とりあえず聞いてみる
「水上鮎よ」
「鮎…」
「…」
一旦場がシーンとした
「あのさ、」
鮎が口を開けた
「家行く前に銭湯行かない?」
「…は?」
私は銭湯を知らない
多分場所の名前だろう
興味と家にすぐ行けないもどかしさがぶつかり合う
「それは、どんなとこ?」
「うーん 暖かい池…かな?」
面白くなってきた
「行こう!」
「…横見てみ」
左に首を傾ける
青い布と縦に平らな木の板が見える
「ここが銭湯」
「水すらないよ?」
「この中」
木の板が内側に動く
穴が隠されていたのか
「行くよ」
「…うん」
驚いてる私の手を引いて、鮎は私と 穴の中に入った
穴の中は異常な程明るい
「高校生2枚っと」
鮎は銀色で平らな石を7枚だし、それを強そうな人間に渡した
そして、再び私の手を取ると、桃色の布がぶら下がった道を歩いた
「手出して」
「…?」
とりあえず出してみる
「はいこれ」
鮎は手にあの銀色で平らな石を置いてくれた
「これなに?」
「んーとね、百円玉っていって ちっちゃい願いなら叶えてくれる素敵な石だよ」
「へー すごーい じゃあたくさんあると、たくさん叶えれるね」
鮎は幸せそうに笑って言った
「うん でっかい願いひとつでもいけるよ」
「すごーい 」
気分の高揚に反応して頭のロウソクが点いた
そりゃそうだ
だって集めれば人類滅亡とかも出来るかもしれないし
というかひとつでも出来るかもだからだ
「じゃあこれをその銀色の穴にいれて」
鮎が言った
直後に鮎の前に小さな穴ができた
そして、そこに服を入れていく鮎
だが、素直に従う訳にはいかない
私には大事な使命があるのだから