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さすがに賢一を残して自分だけ帰宅する気にはなれず、資料の作成をはじめるがどんな会話をしているのかが気になる。

賢一は完全に佐藤さんを糾弾するつもりだ。ただ、仕事よりも賢一の気を引こうとしたり、嫌がらせをする程度で常務や部長を動かすことなんて出来るんだろうか?むしろ生意気な社員として賢一に不利にならなければいいけど・・・


心配をよそに30分ほどで賢一は戻ってきた。

「もう心配いらないし、デマはすぐに消えると思うよ」


スッキリとした表情に胸を撫で下ろすがデマは・・・

「すぐには消えないんじゃいかな?現に」


「女性関係で飛ばされたって話?事実かもしれないよ?」


「事実なの?」


「そんな訳けないでしょ」


「うん」


「本当はこの後、一緒に居たかったんだけどね先約があって、ごめんな」


こんな風に気を遣ってくれることが嬉しい。

「ありがとう、平気よ。でも、安心したから私はもう帰るね」


「寝る前にLINEする」と言った賢一に頷きで返してフロアーを出た。

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