この作品はいかがでしたか?
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きっかけは、些細なことだった。
いつものように土曜日、府内某所の細い路地のバーで働いてたら、彼が来た。
なんとはなしに彼の話を聞いてみたら、今までに出会ったことのない程、それはそれは面白い話をする人だった。
彼は、話すのが上手い。
俺とは見えている世界が違うかのような話題を持っていた。
彼は、聞くのが上手い。
俺の話も意見も、頷いて肯定して、そこから自分の意見を述べるのだからギロンが楽しくて仕方ない。
彼は、人間じゃない。
だが、そんなことはどうでもよかった。
俺はただ、その日その時その場所で本当になんの前触れもなく偶然に出会った男と話がしたかった。
こんなに骨のある話ができる客は久しぶりだ。
もっと、もっと話がしたい、議論がしたい、、、!
朝まで、倒れるまで、お互いの言葉が出なくなるまで。
しかし、バーにも終業時間というものはある。
お互いの予定もあれば生活もある。
そんな楽しい空間はいつまでも続かないのだから、と思う気持ちもあり、結局はその場限りの出会いとなってしまった。
連絡先も何も、お互いが再び繋がれるものは無い。
あれから一切出会わなくなった彼は、今何をしているのだろう。
あれから数年経った今。
俺の目の前に、緑色の、よく見慣れたような初めましてのような顔が立っている。
「エミさん、俺らと一緒に街作ろうぜ!!!」
「、、、、、、、、、は?」
コメント
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mzyb🟢🟤キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 続き、メッチャ楽しみにしてます!!(゚∀゚)