テラーノベル
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屋上の出来事から自分の部屋に戻るまで、潔は地獄のような時間を過ごしていた。
歩くたびに、階段を降りるたびに、着ているウェアの布地が胸元に掠れる。そのわずかな摩擦だけで、脳裏に蜂楽の「じゅうううっ」という生々しい感覚が蘇り、「ひ、あ……っ」と声が漏れて膝がガクガクと震えてしまうのだ。
(……やべぇ、……マジで、服が当たるだけで、……変になりそうだ……っ)
壁に手をつき、ようやくベッドに辿り着こうとしたその時、ドアが静かに開いた。
「…………潔。入るぞ」
そこにいたのは、最高級の、けれどどこか薬用のような香りを漂わせた玲王だった。その手には、見たこともない洗練されたデザインのボトルが握られている。
「……れ、玲王? 何だよ、こんな時間に……」
「座れ。……お前、さっきから服が掠れるたびにビクビクしてんだろ。そんな過敏な状態で明日からまともに動けるわけねーだろ。サッカーに支障が出る」
玲王の声は低く、どこか義務的で冷徹な響きを装っていた。だが、その瞳には、蜂楽や凪に「荒らされた」潔を自分の手で修復したいという、歪んだ慈愛が満ちていた。
「……ジェル? 何のジェルだよ」
「御影財閥が開発に協力している、超高機能の皮膚保護・消炎ジェルだ。本来は摩擦による炎症を防ぐためのもんだが……。ほら、服脱げ。俺が塗ってやる」
「えっ、あ……。……ありがとな、玲王。やっぱり、お前はチームのこと考えてるんだな」
潔は「サッカーに支障が出る」という言葉に素直に納得し、真っ赤な顔をしながらウェアを脱いだ。
玲王は潔の背後に座ると、冷たいジェルを自分の指先にとった。
そして、赤く腫れ上がった潔の胸の先端へ、そっと指を滑らせる。
「……っ、ひ……ぁっ!! 玲王、冷たっ……!!」
「動くな。……しっかり馴染ませないと効果がねーんだよ」
ぬるり、……じゅく、……くちゅ……。
ジェルの粘り気のある音が、静かな部屋に響く。
玲王の指先は、決して蜂楽のように乱暴ではない。けれど、そのジェルを塗り込む動きは執拗なほどに丁寧で、円を描くように「ぐり、ぐり……」と、組織の奥深くまで浸透させるように圧をかけていく。
「……っ、ん、……ぁ、……れお、……なんか、これ……っ、冷たいのに、……中が、熱くなって……っ」
「……気のせいだ。……ほら、反対側もだ」
玲王は、潔が漏らす甘い吐息を間近で聞きながら、ジェルのぬるつきを利用して、より深く、より密接に潔の肌を蹂躙していく。
「……いいか、潔。……他の奴らに、安易に触らせるな。……お前のメンテナンスができるのは、世界で俺だけだ」
玲王の指先が、ジェルの摩擦を借りて「コリリッ」と一番敏感な場所を弾く。
「ひ、あぁっ……!! 玲王、……まって、……それ、……っ!!」
「……待たない。……明日から、また走れるようにしてやるからな」
玲王は真っ赤な顔をして、震える潔を背後から支えながら、ジェルの感触を隠れ蓑にして、自分だけの「印」をその身体に刻み込み続けていた。
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