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ここに閉じ込められて数日がたった。
食事は5人で1人前。耐えられない量だった。
「柚津ー。腹減ってる?」
詩哉が声をかけてきた。
「空いてる。」
「じゃあこれあげる。僕腹減ってないから。」
詩哉が自分の分のご飯を渡す。
「詩哉はお腹空いてないの?」
「俺元々腹があんま減らねぇ体質なんだよ。」
柚津は本心がどうなのか分からないが、ありがたいと思いながら食べた。
これが友達の協力なのか。と思った。
閉じ込められてから1週間がたった。
体力は限界に近い。
まだ大丈夫。
まだ。
「結構限界近いね〜。」
「なんでそんな能天気でいられるんだよ・・・。」
進んでいく村とは反対で、落ちぶれていく子供たち。
このままで本当に大丈夫なのだろうか。
柚津はつくづく思う。
大人たちの甲高い笑い声が聞こえてくる。
なぜそんなに笑えるのだろうか。
自分たちが同じ目にあったらどんなことを言うのだろうか。
本当に愚かだ。
いや・・・待て。
そもそもこの村にはなんで子供しかいなかったんだ。
なぜこの時になって大人たちがこの村に来たのか。
そもそも子供とはなんなのか。
大人とはなんなのか。
そうだ・・・。
自分には記憶が無い。
精神的に追い込まれていて忘れていた。
何も分からない。
そもそも自分の両親はどこにいるのか・・・。
・・・・・・・・・・・・僕って一体誰なんだろう。