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これは叶うはずのない夢
(うるさい)
「…ん」
‹横目で見るとカーテンの隙間から緑髪の少女と紫髪の少年の口論が聞こえてきた›
「寧々…お願いだ、分かってくれ」
「無理…いくらあの子のためでも
類が犠牲になるなんて…」
(9413番と…250番)
「寧々、13が起きてしまうよ」
「ごめん…」
「…謝る必要はないよ、僕も言い過ぎた」
「依代、たぐいだよね…類」
「あぁ、よく覚えていたね」
「とにかく、私は誰かが依代に食べられる事自体が反対…非人道的すぎる」
「…仕方がないことさ、250」
「9413、先行ってるね」
「うん」
‹密会が終わり、静寂が空間を支配した›
「お目覚めですか?13番」
「えぇ…9413番」
「なら…良かったよ、後伝言だよ
『目覚めたら71棟の患者の所に行け』
だそうだ」
「…あなたが伝言役になったんだね」
‹沈黙が訪れる›
「…僕は行くよ」
「…」
‹扉を閉める音がした›
「…39番」
「なに?」
‹彼女が番号を言うと待っていたかのように 灰色髪の子が入ってきた›
「お願いがあるの」
❨ある無機質な部屋にて❩
「9413番…ここが何か分かるよね?」
「…”例”の部屋」
「正解」
‹13は寂しく笑う›
「僕を呼んだってことは…時間かい?」
「…残念ながら」
‹9413は笑う›
「フフッ 今日がその日なんだね」
「ええ」
「ところで…隣の部屋に250番がいるのは何故だい?」
‹9413は13に問い掛ける›
「なぜだと思う?」
‹9413は声色を抑えて言った›
「生贄かい?」
「…」
‹13は答えなかった›
「…13番」
「…何かしら?」
「⬛️⬛️、⬛️⬛️⬛️?⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️?」
‹13は驚きを隠さなかった›
「…さようなら、⬛️⬛️」
‹9413が隣に目を向ける›
「バイバイ、僕の⬛️⬛️」
‹彼が立っていた›
「!」
‹紫髪の女性はハッと目を覚ました›
「…いつまで不謹慎な夢を見るの…そう思わない?39」
「ウン、ソウダネ」
‹灰色髪の人形の少女が答えた›
「おやすみ、39」
「…オヤスミナサイ、13」
‹少女はその名前を呼び、寂しそうに笑った›