テラーノベル
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(誰?)
‹たぐいの目の前にはピンク髪の少女が立っていた›
「起きたね、たぐい君」
「えっと
(僕の名前、なんで知ってるの?)
…」
‹少女は顔を近づけて云った›
「ボクは瑞希、よろしく たぐい君」
「…はい」
(…怖いよ)
「て事で、ここで待っててね」
「…え?」
‹瑞希と名乗った少女はどこかへ行ってしまった›
「」
‹静寂に包まれた部屋は幼子に嫌悪感を与える›
(…ここから逃げたい、嫌だ)
‹たぐいは体を震わせる›
(僕は…ボクは嫌だ!)
(ここから逃げる、最善策)
‹たぐいは…窓から飛び降りた›
(もールカどこに行ったんだろ)
‹瑞希は廊下をぶらついていた›
(杏も遥もダウンしてえむちゃんは出かけている、肝心のルカがいなかったらどうなってたんだろ)
「暁山!」
‹後ろから、瑞希を呼ぶ声が聞こえた›
「んー、絵名じゃん どうしたの?」
「たぐいくん、見掛けた?」
‹絵名と呼ばれた女性は焦っている›
(救護室にいる筈だけど…真逆)
「窓、空いてた? 」
「…うん」
「社長は?」
「今、鳳さんに電話をしています」
「チッ」
‹瑞希はバツが悪いような顔をした›
「探してくるから、社長安心させて」
「…分かった」
‹瑞希はそのまま外に出た›
(えーと、救護室の窓…あった)
‹3階の窓が開けっ放しになっているのが見えた›
(どうかな)
‹瑞希が目を凝らして見ている›
「…いつかはバレる事、突き放さないといけない」
‹いつの間にか開けっ放しの窓の真下の草むらにピンクのリボンが巻いてあった›
(うん、嫌な予感がする…使いたくなかったけど)
(…まだ誰も知らない 感覚で救われていく)
『ロウワー』
‹その言葉を発した瞬間、地面には可愛いシールがいっぱい貼ってあり繋ぐように黒い線が引かれていた›
「さて、見つけますか」
‹鼻歌を歌いながら機嫌よく瑞希は歩き始めた›
(たぐいくん、大丈夫かな)
‹絵名は自室で待機していた›
「みのり姉さんも大丈夫って云ってくれたけど…怪我してないといいな」
‹絵名の不安は高まるばかりで、手を動かさずには居られなかった›
‹瑞希は裏路地をぶらついていた、黒い線はまだ引かれていた ›
(こんなに遠くに来ちゃって…体力尽きてくる頃だろうな)
‹瑞希の心配をよそに黒い線は消える事もなく続いていた›
「そろそろ、ポートマフィアの陣地に入りそうだなー」
‹独り言を呟く瑞希の後ろから人がやってきた›
「…」
「ポートマフィア、やなんだよねーあそこ」
‹瑞希は後ろにいる何かに気づいていないようだ›
「…フンフフフンフフフフッフンフンフンフンフーンフーンフーンフーンフーン♪」
‹その人らしき何かが鈍器を取り出した時 ›
「…キミはポートマフィアの狗かな?」
‹と、彼女は声を出した ›
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