もうまもなく消灯時間だ。
誰もいない大浴場で体を洗いながら、俺は何度も深呼吸をして心を落ち着かせようとした。
本当にいいのだろうか。瑠斗は後悔しないだろうか。
いや、今更そんなことを考えたって無駄だ。覚悟を決めたんなら振り返るな。
「…アイツ、驚いてたな」
無理もない。俺の方から「してやる」と言い出すなんて、張本人である俺でさえ想像していなかった。
それほど瑠斗が辛そうで、どんな形でもいいから手を貸してやりたいと思ったんだ。
──洗うだけでいいよな。最後まではしねえ約束だし。
頭と体を洗って、お湯で流してから浴槽へ向かう。肩まで浸かって目を閉じればついウトウトしてしまうが、流石に寝るわけにはいかない。俺は湯舟からすくったお湯を顔にかけ、頭をぶんぶん振って意識をはっきりさせようとした。
「裕孝…?」
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コメント
2件
この作品大好きです!!🥰