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貴洋は今日もモニター越しに女児を見ながら自慰行為に耽っていた。齢40近くしてロリコンで童貞である息子を心配した父洋に筆下ろしを施され、父洋と毎晩のように交わり続けてもこのザマである。

僕がこのボンレスハムのような肉体を犯す妄想が高じてハッテン場通いにはまってしまったことは誰も知らない。憎たらしくともどこか愛くるしい、そんなこの童顔で愛嬌のあるデブに僕は性的な魅力を感じており、今日も僕の陰部はだらしない汁を染み出していた。


貴洋の張り裂けんばかりのムチムチした体、無能ボイスと揶揄される少しやつれた声、デブ特有のツンとした体臭、チンカス混じりの精液、短小包茎の陰茎、すべて僕のモノにしたいがために数多の殺害予告を繰り返してきた。

無論、僕が匿名掲示板で殺害予告やサジェスト汚染に加担していることはK察にも知られていない。得体の知れない恐怖に毎日晒され続けている貴洋は精神を病んで引きこもりがちになっている。

ネット上では恒心教と呼ばれる宗教の教祖または神として尊師と呼ばれていることに本人はまんざらでもないようだ。時折、機嫌のいい時は某死刑囚の尊師マーチを口ずさみ、MMDとして作られた脱糞ダンスを真似て事務所で僕たちにBGMつきで披露するほどだ。


恒心教がここまで一大勢力になったのは多数の名無しが存在し、かつ貴洋の行動とキャラのせいであろう。今のところ目立った物理的な被害はないが、貴洋を標的にした予告や名前を騙った犯行予告、悪意のある悪戯が起こるたびにK察から電話が入り、そのたびにやつれていくようであった。

動画サイトでも開示されている貴洋の初電話対応時と玉音放送、初テレビ出演時のお気持ち表明では明らかに声の張りが違う。僕と知り合った時の能天気な無能ボイスよりもかなりやつれた声になっている。

そんな精神状況に陥れた悪事に実は僕も加担している。手に入らないならば引きこもらせる檻を用意する、これでいい。


さて、今日は同僚のY本と講演会でとある学校に来た。以前ある大学で珍しく貴洋が出ると言って講演した時に騒がれたから、今回は僕らが出てきたと騒がれそうな気がする。

これも貴洋の仕事だったのだが、前日の殺害予告でまた怯えてしまった貴洋を心配した洋さんの申し出で僕が担当することとなった。そこへ僕の疲労を知ってか、Y本が座長の役を買って出てくれた。ネットリテラシーというテーマなだけに、貴洋より有能なY本に任せる方が僕も安心だ。

Y本がクロスにきてから彼は何かと僕を気にかけてくれている。貴洋が躁鬱気味なのは僕のせいでもあるといっても、あの調子では僕に多くの負担がのしかかる。

そんな僕の様子を知ってか、Y本の気遣いと笑顔、わかりやすい性格に僕は励まされていた。

愛ゆえに(全6話)

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