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私の名前は、 アイオロス。
射手座の星の名を持つ者。
私は生まれながらに罪深い存在なのだそうだ。
なぜならば、私の命には限りがあるらしいのだ。
だからといって、私が生きることを諦める理由にはならない。
なぜなら私は、この人生の中で何かを成し遂げたいと強く願うからだ。
自分の生まれた意味を知るためにも、私は生き続ける必要がある。
たとえその先に死が待ち受けていたとしても―――― どんな絶望にも必ず希望はあると信じて進むしかないのだ。
それは誰だって同じことさ。
誰もが一度は通る道だよ。
だが、お前たちは知らないんだろう? この先にある未来なんてものは、 何もないということを。
「私はあなたのお父様とあなたのことが大好きよ。だからね、私はいつもあなた達二人を応援するわ! 何か困ったことがあったらいつでも相談してちょうだい。私が味方になってあげる!」
そう言ってくれる人がいたよ。
だが俺は、それを信じなかったんだ。
なぜならそれは俺にとって、あまりにも当たり前すぎたからさ。
この世は俺のためにあると信じて疑わなかった。
だってそうだろ? 誰も彼も、俺のことを褒め称えたじゃないか! 失敗なんてしたことないぞ? 挫折なんか経験してないぞ? 絶望を知らないまま大人になった。
だから……俺は信じたんだよ。
この世には素晴らしいことがたくさんあるはずなんだってね。
ああ、もちろんそれだけじゃない。
夢を諦めなければならないこともあった。
努力しても報われないことも、悲しいこともいっぱいあった。
それでも俺は諦めきれなかったんだ。
あの時感じた情熱をもう一度……! 希望、願望、向上心、やる気、活力、熱意、努力、友情、仲間意識、使命感、責任感、愛情、慈しみの心。
恋愛、結婚、婚約、誠実、貞節、真実の愛、絆、調和、信頼、一体感、思いやり、感謝、優しさ。
失敗、後悔、劣等感、罪悪感、後ろめたさ、自己嫌悪、喪失感、虚無感、絶望、諦念、鬱状態、空虚、疲労困ぱいし疲れ果てて眠る。
病名:鏡の中の天使病 人間には誰しも多面性があるものだ。その人の一面だけを見て判断するのは早計というものだろう。それは人間に限らず全ての生き物に共通することだと言えるかもしれないが。
例えば犬にも色々な顔を持っているだろう? 人懐っこくて甘えん坊な子もいるだろうし、飼い主さん以外には全く興味を持たない一匹狼みたいな奴もいるだろう。
では、もし自分の飼っていたペットが死んでしまった場合、君はどんな風に感じるだろうか? 悲しい気持ちになるのか、それとも涙を流すのか。あるいはもっと別の何かを感じるのか。いずれにしても、自分が大切にしていたものがいなくなったという事実に変わりはない。それを受け入れるためにはそれなりの時間が掛かるはずだ。
それは例えば家族であったり友人であったりと様々だが、大切なものを失うということは人間にとってとても辛いことなのだ。だからこそ、僕はこの物語の主人公について語りたいと思う。その結末までを見届けてほしい。そうすればきっと、君にもわかるはずさ――本当の『死』の意味というものがね。
【プロローグ】
ここはとある街の小さな喫茶店。店内にはジャズが流れており、落ち着いた雰囲気を作り出している。時刻は既に午後6時を過ぎており、窓の外を見ると日は完全に沈んでいた。客足もまばらになっており、店員達は閉店の準備を始めているようだ。