テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
―――ズリ……ズリ……
暗い廊下に足音が擦れるような音が響いた。
その音は小さく、部屋に付いたエアコンの音でかき消されてしまうほどだった
足音の主は扉の前に止まると震える手でドアのロックを解除する
―――ピ、ピ、ピ、ピッ、ピー
ロックを解除する電子音が静かな家に響き渡る
女は部屋にいる人間に気づかれないようにゆっくりとドアを開けた
その小さな部屋の中には机と椅子が2脚と大きなベットが1つ、それとたくさんの本が詰まった本棚があった
女は静かにベットの中にもぐりこむと、ベットの主に気づかれないように息を潜めた
毛布が彼の呼吸により小刻みに動く
バクバクと彼の心臓の音が伝わる
彼女はそっと手を伸ばし彼の傷付いた腕に触れた
机に置かれた時間の合っていない時計が、カチ、カチ、と静かに刻んだ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!