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〜訓練〜
第23話
まぁ、あれから色々とあって……数ヶ月が経った。今日から夏休みっ!
ドラゴンも、大きな魔獣も、黒影はほぼ全滅くらい倒しちゃったけど……大きな動きは無い。
だけど、夏休みの間に森に入ろうと思う。
『俺のスミカには、『ハンナ』ッテ言う、オンナが作った墓ガアル。そこには『□□□』トイウ少女の墓が。ソノ隣には『□□□』
……私の仲間の墓がある。
少々、危険が付き纏うかもしれないけど……やるために私は生き返らされた。
皆がボロボロになって、私を逃がしてくれた時、何もできなかった。だから……恨まれてないのか。それが心配で、心配でしょうがない。
……あ、そう言えば、ハラルド先生には呆れ顔で「この国で一番強いと思うぞ」と冗談を言われた。その割には真剣そうな魔力の動きだったけど。
それに、周りも……ってあれ? ガチなやつかな?
全然、弱々のヨボヨボの私の知っているようなC級冒険者にも、届かないのに?
ま、全然分からない――いや、分かろうとしないまま六年との組手が……って、何で?
会場の周りは……二年生が多い。六年がちらほら。その他の学年はゼロ。
「七歳の一年生とは聞いたが……本当に七歳とはな……」
何かミヒャエルさんより強そうな人――少し長いショートのブロンド髪がとてもサラサラしていて、金色の瞳は透き通っている。顔立ちは、めちゃいい。イケメン。
私は、驚かれているのを他所に軽く頭を下げてから木剣を握った。
「一本勝負。初めっ」
名前も分からない先生がそう告げた。
私は、相手が来るのを待った。どれだけの強さだか……全然見当もつかない。
いや、全然は言い過ぎかもしれない。ミヒャエルさんより強いのは分かる。
でも……シルバーウルフっていう、良く群れでいる雑魚キャラより弱いような、弱くないような……そこら辺の判断難しいなぁ……
この前、私が戦った魔獣たちは……前世のソロのA級冒険者や、単独の聖騎士でも倒し切るのは、難しいだっただろう。
そんな事を考えながら、向かってきた刃を、弾き返して……あれ? 宙に剣が浮いた。
なぜ? だって……えぇ……?
私はその圧倒的な弱さに一周回ってビビりながら、木剣首元に添えた。
「あははっ……強いね」
「強いんですか?」
率直に思った事だった。
確かに、弱いとまで……いや、弱々だよ。
戦闘能力は、八年前の何百分の一よ。
「強いよ。ハラルド先生を倒しただけあるね」
「え……?」
首を傾げていると、後ろにいた黒猫にほっぺを抓られた。
「ほら、言っただろ? お前はチートだって」
「ひゃないてよ〜。たひかに、さぁ〜」
そこまで言った所で離してくれた。
ふぅ。一安心。
「確かに……う〜ん……強い区分に入るのかな……?」
「「「入る!!!」」」
この会場にいる全員が満場一致でそう答えた。
なぜ行なわれたのか、全く見当もつかないまま、今は森の中を歩いている。
黒猫と、私。それと、何故かマリアとミヒャエルさんもいる。ハラルド先生ご指名だ。
「何だったんだろうね?」
「何が?」
マリアは、首を傾げながらこちらを向いた。
「さっきの組手。なんで、あんな事をやらされたんだろう?」
「え? 知らないままやってたの?」
「いや、面倒くさそうだったから……」
私がぼんやりと誤魔化そうとしたら……着いた。半日歩いただけ。
「……ここ?」
私は、放心状態だった。どちらかというと、良い意味で。
綺麗に整備されている、古ぼけた石が三つ並んでいる。
『エレン』
そう書かれている墓石の前でしゃがんだ。
「お姉ちゃん。私だけ、ごめん」
隣にある墓石は……読めない。だけど、先生のお墓。
「先生。私、弱くなっちゃった……」
その反対側に『オレグ』と書かれた墓石がある。
「オレグ。私、次はもう無いけど……守るって決めたん
だ。遅いよね?」
私の弟みたいな存在だった。
「……大丈夫か?」
黒猫がポン。と現れて、私の腕の中から私を見上げた。
「うんっ。何か、悔しくなった」
「え?」
「この三人は越えられるくらいの強さになりたい。私、激弱の剣士……オレグの次に弱かったから」
「ハンナの言う事って、予想を遥かに超えてくるよね」
そう言って、マリアが私の頭を撫でてくれた。
「ご飯できたよ。ま、殆どはミヒャエルが作ってくれたんだけどね」
美味しそうな香りが私の鼻をくすぐる。お腹が鳴りそうだ。
「うん。ありがとうっ」
私は笑顔で大きく頷いた。
コメント
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第23話読み終わったよ!主人公の強さ自覚なさすぎて笑ったww「強いんですか?」はマジで草。墓参りのシーンはじーんと来た……「私は次はもう無いけど、守るって決めたんだ」って決意にグッときたわ。弱くなった自分を受け入れつつ前に進もうとする感じ、めちゃ共感する🔥