テラーノベル
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「もう忘れなよ」
友達はそう言った。
「いつまで引きずってんの」
そう言われても、
簡単に忘れられるなら苦労しない。
僕は笑ってごまかした。
「別に引きずってないよ」
でも本当は。
今でも、ふと思い出す。
帰り道のコンビニ。
駅前のベンチ。
放課後の教室。
どこに行っても、
君の思い出がある。
僕と君は、前はよく一緒にいた。
くだらないことで笑って。
テスト前に焦って。
放課後にアイスを食べたりして。
でも。
その関係は、突然終わった。
君は転校することになった。
「遠くなんだ」
君は笑っていたけど、
少しだけ寂しそうだった。
駅で見送った日。
電車に乗る前に、君は言った。
「ねえ」
「もし私のこと忘れちゃっても」
「それはそれでいいよ」
そう言って、笑った。
ドアが閉まる。
電車がゆっくり動き出す。
そのとき、君は窓越しに言った。
「でもさ」
「私は忘れないから」
それが、最後だった。
それから何年もたった。
友達は言う。
「もう忘れていいだろ」
「次行けよ」
確かにそうかもしれない。
君はもう遠くにいる。
会うこともないかもしれない。
それでも。
僕は、思う。
忘れたくないって。
楽しかった時間も。
くだらない会話も。
全部。
忘れてしまったら、
なかったことみたいになる気がする。
それは、なんだか寂しい。
だから僕は__
君を忘れちゃいけない。
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