nr視点
「ゔ、ごほっごほっ…はぁっ、ゔぇ゛」
あれから早数ヶ月、街の人たちはクリスマスだとか言ってるけどそんなのどうでもいい
僕は体調が良くなるかと思いきやそんなことはなくてむしろ体調が悪くなるばかりだった。
「はぁっ、くるし…ッぅ゛いッ…たすけ…っ」
口を押さえていた手を見るとそこには赤黒いものがついていた。
なんとか水を飲もうと体を起こすがふらふらして床に倒れこんでしまった。
「ごほっごほっ…ッはぁっ」
床が一気に血で埋め尽くされている。
鉄臭いなぁ…そんなことを考えていたら意識が遠のいてきた気がした
必死の思いで救急車を呼んだ。
なんか頭がぼんやりして力が抜けていく。
あぁ意識がなくなるんだな、
気づいた時には僕は見覚えのある無機質な天井を見ていた。
自分で救急車を呼んだのにここがどこなのか、把握するのに時間がかかった。
数日後、
色々な検査を受け診察室に入ると医師が難しい顔をしていた。
「…なろ屋さん、思ったよりも病気の進行が早いです。」
その時、余命宣告された時からちょうど半年が経とうとしていた。
今の僕は口には酸素マスク、手には点滴といういかにも病人という見た目をしていた。
「…はぁ、そろそろ誰かに言わないとな…」
この病気について、改めて医師から詳しい説明があった。
・この病気は簡単にいうと進行するにつれて、腕以外の体が動かなくなり、じきに味覚、視力、聴力がなくなる病気だと言うこと。
・余命は基本的に多くて2年、少なくて半年。
色々割愛するけどこんな感じ。
最近はご飯を食べるために体を起こすのもしんどい。
僕はもう死ぬのかぁ…
視力がなくなる前に遺書、書かなきゃなぁ…
薄暗い部屋の中、窓からの光だけが部屋を照らしていた。
起き上がるのもきついがそんなことはどうでもよくて、近くでこの夜の景色を見たかった。
窓を開けると冬の初めの肌寒い風を感じた。
「…あ、雪…」
しばらく外を眺めていると白い何かがちらついているのが見えた。
昔は雪遊びとかよくしてたなぁ…
ずっとこのまま、というわけにもいかないので窓は開けたまま布団に入った。
km視点
「もぉーそのーてをひとーりにしなーいよーおにー♪」
「かもめんスノウバード大好きやなw」
もう12月。外ではクリスマスだとか言ってるけどそんなの関係ねぇぜ!!
「だって冬と言えばスノウバードじゃない!?」
歌詞とかうろ覚えだけど気にしない気にしない!
今はメンバーで翔ちゃんの家に遊びにきてるんだけどみーんな自由すぎ。
俺ももちろん自由すぎる中に入ってるから適当にTwitterでも見てる。
『めろんぱーかー』でエゴサしてめろりすのポストを見てニヤニヤしている端から見たらただの変人。
ふと、とあるポストが目に入った。
『めろんぱーかーか、懐かしい
昔よく見てたわ笑なろ屋がいなくなってからあんま見なくなったけど』
なろぴ…
あれから半年と数ヶ月が経った今もなろぴの生存確認は出来ていない。
今どこにいて何をしているのかさっぱりわからない。