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⚠︎一応体調不良話です⚠︎勇太さんに体調不良になってもらいました。
性癖全開ッッッッッ!!
なんか長いです
⚠︎変わらず龍×勇太です⚠︎
龍さんにスパダリ攻めを夢見てます
※(まだ)付き合ってない
※両片思い
※口調迷子、色々捏造
※季節感バグ
⚠️ チャットノベルにて公開した1話の続きではありますが単体でも読めます
あの日から龍の事が忘れられない。
単なる事故なのは分かっているが、あの時近づいた顔が頭から離れない。
もう何年も一緒にいるのに、龍のことを考えていると、妙に胸がドキドキしてしまう。
夢に龍がよく出てくるようになり、眠れない日々が続く。
身体が資本なのに睡眠を疎かにしてはいけないのは分かっているが、それでも相方である龍の事をずっと考えてしまう。
一体自分はどうしてしまったのだろうかと思い悩み始めて実に1週間が経とうとしていた。
「また…夢に出てきた…」
別に龍のことは嫌いではない。むしろ好きだ。
だけど、相方である龍を恋愛的に好きだと自覚してしまえば今の関係が壊れてしまいそうで怖かった。
だからどうにか忘れてしまいたいと思ってしまう。
「あっ、もうこんな時間になってる。早く準備しなきゃ…っ!」
スマホを開くと約束の時間まであと1時間を切ろうとしていた。
今日も龍と練習の約束をしている。
通知欄には龍からのメッセージが入っており、きちんと起きているようだった。
安堵と先程の悩みがぶつかり合い、なんとも言えない気持ちになったが、そんな事はどうでもいい。
すぐに起き上がり出かける準備を始めようとすると、クラりと一瞬だが、視界が点滅する。
だけど、目を瞑り、少しだけ時間が経つとすぐに視界はいつものどおりに戻る。
「(…やっぱり寝不足ダメだな)」
鏡をチラリとみると普段と比べ若干顔色が悪かった。
それでも本当に僅かの差だったので、誰にも気づかれないだろう。
そして、カバンを手に取り部屋のドアに手をかけた。
約束の時間まであと10分ほどとなっていた。
本日の天気は昨日よりも少し暑く、日差しが眩しく感じる。
その日差しに思わず視界がぐらついてしまいそうだ。
「(眩しい…)」
スマホを見ると龍はもうすぐでこちらに到着するとの事。
少しだけ重い瞼を擦りながら、静かに柱に凭れて相方の到着を待つ。
すると1分もしない内にパタパタとスニーカーの足音が近づいてくるのが聞こえた。
パッと顔を上げるといつも通りニコニコと優しい笑顔の龍が居た。
「勇太!!!ごめん、ちょっと遅れた。」
「いや、まだ集合時間になってないしいいよ。」
「え?…あ、ほんとだ。なんだぁ……」
スマホを見て龍は笑う。
俺は、またその笑顔に心が動かされてしまう。
すると、龍は何かに気づいたかのように、勇太の顔を覗き込むように少しだけ屈む。
「……あれ?」
「勇太、なんか顔色悪くない?大丈夫?」
「え?」
嘘でしょ、会ってまだ1分くらいなのにもう勘づいた?
どんだけ観察眼鋭いんだよ…。
「いや、何となくいつもと違うような……暑さのせいか?
とりあえず移動しよ、ここ日差しキツイでしょ。」
「…分かった。」
自然と手首を掴まれ、導かれるように手を引かれる。
なんとなく、龍がズルいと思ってしまう。
龍は無意識なのか、誰にでもこうなのか、あまりにも自然にやるから。
龍はいつの間にか購入したキンキンに冷えた水を勇太の手に持たせる。
自分も持ってるのに飲めと言わんばかりにグイグイ押し付けられた。
「勇太、水分とかちゃんと摂って。熱中症最近増えてるらしいし。」
「ありがとう…」
え、龍って普段からこんなんだったっけ…?
優しい奴なのは分かってるけどここまで甲斐甲斐しくしてくれるタイプだっけ…?
先日の事故のこともあって勇太の心はかき乱されるばかり。
「(…..手温かいな)」
外はジンジンと暑いはずなのに、龍の手の温もりは不思議と気持ちよかった。
勇太のもう片方の手には外の気温のせいか、勇太のドキドキした熱が伝わったせいか、既にぬるくなったペットボトルが握られていた。
それから龍に連れられ、本日練習を行うスタジオに到着する。
龍と共に荷物を壁際に下ろす。
龍はまた心配そうに勇太の顔を覗き込む。
「勇太、大丈夫?練習できそう?」
「いや俺、全然元気だよ?」
「そう?…..ならいいけど。
でも途中でしんどくなったら言って?」
龍は優しそうに笑う。まるでその顔は本物の兄のよう。
なんか今日調子狂うな…と思いながらも勇太も笑って返す。
2人とも上着を脱ぎ、今日の練習メニューについて考える。
「じゃー、とりあえず今日はルーティンの確認しながら適当に曲かけよ。」
勇太はスマホを取り出し、曲のプレイリストを開く。
スルスルと指をスライドさせ、様々な曲のタイトルを目にする。
「おけ、じゃあまだやってないルーティンからやろ。
……あ、この曲まだやってない気がする。」
「ん?どれ?」
スッと勇太の持つスマホを見ようと顔が近づく。
その距離は僅か10cm程。
こんな距離なんて、もう何年も経験してるはずなのに。
「(やっばい…近い…)」
こんな事でいちいちドキドキしてたら、俺が龍に対する感情がバレてしまう。
何とか平静を保とうとするが、上手く言葉が出てこない。
龍が口を動かしているのが視界の端に映る。何か喋ってるようだが、今の勇太には何一つ聞こえない。
「……勇太?聞いてる?」
「んぇ!?」
龍はいつの間にか視線をスマホから勇太の顔に向けていた。
ハッとして顔を上げるとバッチリ龍と目が合う。
龍は勇太が話聞いていなかったことに不満を持っているのか、少しだけ眉を寄せていた。
「やっぱ勇太体調悪いでしょ。さっきからボーッとしてるし。」
「へ、平気だって!」
「ふぅん?」
「じゃあ、ちょっと測らせて。」
龍はそう言い、勇太の帽子をそっと外す。
そして彼の手が優しく勇太の髪の毛を整え、そのまま額と額を合わせる。
「(待って、近すぎる…)」
コツン、と別に痛くないけれど額がぶつかる音が聞こえる。
そして、龍はんー…と考えるように目を瞑った。数秒後、目を開き、再びお互いの視線が交差する。
「そんなに熱くないけど…ちょっと目充血してるな…
もしかして寝不足?」
「えっ…と…まぁ、そんな所。」
「勇太が寝不足なんて珍しいね?」
「まぁ…動画とかついつい見ちゃって…」
「あぁ〜分かる。俺もよくやる。
でも勇太、結構しんどそうだしどうする?今日はもう休む?」
「え!せっかく龍が予定空けてくれたのにいいよ!」
慌てて否定をする。大学生活などで忙しい龍との貴重な練習をこんな事で中止にしたくはなかった。
大会まで練習期間もそこまであるわけじゃない、だからこそ今日のような練習日は貴重だった。
「これで勇太が体調悪化したら元も子もないでしょ?」
「そ、れは…そうだけど…。」
せっかく2人きりで練習できるのに…と少しだけ落ち込んでると、その表情を見た龍は困ったように頭を搔く。
「……本当に大丈夫?」
「大丈夫だってば、心配性過ぎ。」
ツン、と龍の腕を小突くと、龍はしょうがないなぁという顔で頷く。
「分かった、今日は休憩多めでいこう。」
「うん…。」
それから1,2時間ほど練習を行った。
普段よりかは軽めで、ほぼルーティンの作成で軽く動くだけの練習となった。
それなのに、普段よりも疲労を感じるのが早かった。
軽く息が上がり、さらに頭痛でスタジオの光が眩しく感じる。
「(くそ……思ったより体が動かない…。)」
ルーティン作成は何とかできたが、動きが普段よりもどうしても遅れてしまう。
頭痛に耐えながらもどうにか踊ればするけれど音が依然として耳に入ってこない。
龍もそれに気づいたのか、曲を止めて、壁際で休んでる勇太の傍に近づいた。
「勇太、大丈夫か?」
「…ッ平気」
大して汗もかいてないのにタオルで顔を隠すように拭く。
龍の表情は見えないが、声が明らかに低くなっていた。もしかしたら怒っているのかもしれない。
「勇太、こっち向いて。」
バッとタオルを奪われ、視界が一気にクリアになる。
すると、龍が至近距離で勇太をじっと食い入るように見つめていた。
そして逃げられないように頬を掴み、グッと顔をさらに寄せられる。
「…やっぱり。顔色悪くなってる。
俺さ、しんどくなったら言ってって言ったよね?
忘れた?」
その表情は、普段おふざけする龍ではなかった。
真剣な目で、でも目の奥は心配そうな色をしてて。
そんな表情は今まで見たことがなかった。
「りゅう……」
「……さっきも言ったけどさ、勇太が倒れられたら困るの、俺。
勇太には、万全な状態で伸び伸びとダンスしてほしい。」
「ごめ……」
「謝って欲しいんじゃない。
俺が大学行ってるからとか、俺が予定中々合わないからって理由で、無茶されるのは……嫌だ。」
「龍はずっと忙しいから……貴重な練習潰したくなくて……」
「でもそれ以上に自分の事もっと大切にした方がいいよ。」
龍はそっと勇太の頭を撫でた。
その手はとても温かくて、優しさが込められていた。
じんわりと心の奥が温まる。
ダメなのはわかってるのに、隠していたまだ名前の無い感情はどんどん加速してしまう。
こんな気持ちを、龍にぶつけてしまえば、彼はどんな反応をするんだろう。
優しいからきっと、否定はしない。
だけど、溝ができてしまうかもしれない。そして、段々と関係が崩れてしまいそうだった。
「(……龍の優しさに漬け込んじゃダメなのに)」
龍の言いたいことは分かる。
だけど、結局は自分が勝手に悩んで苦しんでるだけ。
そう簡単にズキズキと頭痛は治まらない。
気持ち的に少しは楽になっても、体調はそう甘くはなかった。
「……勇太?」
急に黙り込んでしまった勇太を心配して、龍が肩に手を置く。
しかし、この時既に返事する気力すらなくなってしまっていた。
脈打つようにズキズキと痛む頭痛、そして熱まで出てきたのか異様な寒気までして思わず体が震えてしまう。
なんでこんな時に、と今更考えても遅かった。
あんなに眠れなかったはずなのに、急激に眠気まで一気に襲いかかってきた。
「っは……ぅ……ッ」
「勇太……?こっち見ろ、勇太!!!
なんで急に……ッ」
「り、ゅうッ……」
急速に体調が悪くなる勇太を見て龍は血相を変える。
慌てて体を支えられるが、その熱に驚いていた。
ぼんやりと視界が歪み、龍の顔すら認識できなくなってしまう。
声も出ないから苦しいとも言えない。
ズルズルと座ってられなくなり、力無く龍にもたれ掛かる。
龍は必死に勇太の頬を叩き、呼びかけていた。
だけど、もう一度龍の名前を呼ぶ前に意識がフェードアウトしてしまう。
「勇太!俺の声聞こえる!? 勇太!!!!!」
目を閉じる寸前に、見えたのは龍の焦った顔だった。
続く……と思う……