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#ギャップ
ひより
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鷹槻れん@コノカレコミカライズ

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百はな🍑
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谷の方で、光が一瞬だけきらめいた。刃で光を反射させる、ベルシュタイン軍の合図だ。
隣にいたルピが、ぴんと耳を立てる。
「ピィッ!」
甲高い鳴き声が響いた瞬間、胸の奥に熱が走った。言葉ではない。けれど、分かる。
――信じている。
魔力交換で、私とアレクの魔力は深く触れ合った。
だからだろうか。ルピを通して、アレクの感情が少しだけ流れ込んでくる。
領民たちを振り返った。
「今よ!」
魔法種まき機の取っ手に、農夫たちが手をかけた。屑石が一斉に空へ弾き出される。谷を抜ける風に乗って、赤い光が戦場へ降り注いだ。それはまるで、宝石の雨だった。
***
谷道の下で、ギルフォード軍の足が止まった。隊列が、目に見えて崩れていく。
「止まった……?」
領民の誰かが呟いた。谷の奥で、赤黒い魔力がゆらめく。アレクの声までは、ここには届かない。けれど、あれが彼だということは分かった。そして、何が起きているのかも。
「……おい、武器を捨ててるぞ」
農夫の一人が言った。ギルフォード軍の先頭部隊が、次々と膝をついていく。
やがて、後方の兵たちまで足を止めた。詰まった隊列は、前にも後ろにも進めない。進軍は、完全に止まっていた。
「止めた……」
誰かが呟く。
「止めたんだ……!」
その声に、領民たちが互いの顔を見合わせた。
「やった……」
誰かが、小さく呟いた。
「やったぞ!」
次の瞬間、崖の上に歓声が弾けた。
「うわあああっ!」
「本当に止めたんだ!」
「俺たちでも、役に立てたんだ!」
「あなたたちが、この領地を守ったのよ!」
その言葉に、歓声はさらに大きくなる。けれど、その喜びは長くは続かなかった。
息を切らしたフレッドが、崖の上へ駆け込んできたからだ。
「お嬢様!」
彼の手には、黒い封蝋の押された魔法便が握られていた。嫌な予感がする。封を切り、文面に目を走らせる。
「……マレフィカ侯爵家、参戦」
遠く、南の街道に黒い軍旗が見えた。
コメント
1件
わあ、ついに進軍を止めたんですね……! 屑石を魔法種まき機で飛ばすっていう農具の転用アイデア、地味だけど効いてて好きです。そして農民たちの「俺たちでも役に立てた」という喜びの声にじんときました。が、その直後のマレフィカ侯爵家参戦……「勝ったはずなのに」というタイトル回収、容赦ないですね。次の展開が気になります。