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舜太と会話をしているうちにどんどんお酒が進んでいく。「ホントあいつさぁ、飲みに行くのはいいんだけど、別に。柔太朗だったら隠す必要なくない?意味わかんねぇ」
「それは俺も思った」
「俺なんかしたかなぁ…俺って重い?あいつの迷惑になってんのかなぁ…」
(でた…病み病み仁人。こうなった仁人を慰めるのは結構大変)
「重くないよ、全然普通。俺も人とか場所とか聞くし、なにも悪いことじゃないよ。」
「でもやっぱ、嘘つかれたのは結構ショックだわ…嘘ついてまで俺といるの嫌だったんかな…」
どうにもやっぱり舜太と居ると、ついつい言葉が出てきてしまう。普段勇斗に本音を伝えられない分、積もったものが溢れ出してとまらない。酔いが回っているのも重なり、ついつい自分が悪いと思う方向に思考がよってしまう。今ではもう、"思いをぶちまけたい"よりも"慰めてほしい"の方が大きくて舜太に縋るように話した。
ある程度話し終えたのかウトウトしている。
(そりゃこれだけ飲んで泣きながら話したら眠くなるわ )
するといきなり仁人がもたれかかってきた。"寂しいだろうな"と同情しつつ膝の上で仁人を寝かしつける。
「あ〜あもう、目が腫れちゃうよ仁ちゃん…」
仁人の涙を拭い、ふと思ってこの状況をストーリーにあげた。もちろん勇斗だけが見れるようにして。すると案の定仁人のスマホの通知が鳴り止まない。仁人は今俺の膝の上で寝ているからスマホを見ることはないため、既読もつくことは無い。最終手段なのか、勇斗から電話がかかってきた。
『もしもし?仁人?お前なにしてんの?』
『お、勇ちゃん。仁ちゃん今寝とるよ』
『舜太ん家で飲んでんの?』
『仁ちゃん家で飲んどるよ。仁ちゃんが独り寂しく飲んでるって言うから、俺も独りだし誘ったんよ』
それから俺は勇斗が少しでも焦りを感じるように、少し挑発的に話した。
『仁ちゃん、せっかくのクリスマスイブなのに恋人に置いてかれて寂しいって言ってたわ〜。しかも、なんで嘘ついてまでって泣きながら俺に話してたんよ笑』
『え、あ…いやそれは』
『まぁ、今ではお酒も結構入って泣き疲れたのか俺の膝の上で寝とるよ。ほんま寝顔可愛ええな』
『は?お前なんもしてないよな?冗談じゃ済まされねぇからな?』
『まぁ、それは勇ちゃん次第やで?』
『もう帰っから仁人に手だすなよ』
本当に自分は良い人だと心の中で賞賛した。電話の声からして、焦っていたのは間違いない。これで勇斗の行動が変わってくれればいいと仁人を撫でながら思った。数十分すると家の鍵が開く音がした。
「お、勇ちゃんおかえり〜」
「なんもしてないよな?」
「そんな怖い顔せんでも、何もしてないって」
(ほんとなんでこんなに勇ちゃん好き丸出しなのに、良くない方向にいっちゃうのかな笑)
舜太のストーリーを見て唖然とした。そこには1人で飲む量ではない大量のお酒と仁人らしき人が映っていた。俺は焦って仁人に連絡したが、既読になる気配がない。最終手段として電話をかけたが、聞こえたのは仁人の声ではなく舜太の声だった。
『なんで嘘ついてまで』
と話され、やってしまったと思った。最後には
『俺の膝で寝てる』
そう言われますます焦りを感じた。柔太朗には申し訳無いが今すぐ帰ると伝え、家に向かった。何も無いことを願って…
家に着くと、そこには舜太が話していたように膝の上で寝ている仁人と大量の空いた缶があった。仁人には何も手出しされていないようでとりあえず安堵。
「勇ちゃんが仁ちゃんのことよう考えてるのはわかるんやけど、疑われたら元も子もないよ?」
「ごめん舜太、ありがと言ってくれて。あとは俺の問題だから」
「じゃあ、俺はもう帰るね。あ、そうだ、仁ちゃんの話し聞いてた感じ、仁ちゃんなかなか本当のこと伝えられないって。大好きで愛してるからこそ迷惑かけたくない、重いって思われたくないって言ってたよ」
「…ん、そっか。いろいろとありがとな」
「全然!じゃ帰るね、お邪魔しました」
そうして舜太は帰った。とりあえず俺は床で寝ている仁人を抱き抱え、一旦ソファに寝かせた。そして寝ている仁人の頭を撫でながら話しかけた。
to be continued…