TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
檻

一覧ページ

「檻」のメインビジュアル

2 - ▹▸2

♥

211

2025年01月11日

シェアするシェアする
報告する






「ん…」




我に返るとベンチに座っていた

ふとしたらもうこんな時間だ

学校へ行かなければ




「はぁ、……」




足枷が付いたように重い足をなんとか動かし、公園から出る

いつもの道を下を向きながら歩く




「ぎゃぁぁあっ!?!?」


「えっ、!?」




急に後ろの方から悲鳴が聞こえる

さすがに驚いて反射的に後ろを振り向く

すると、少し長い髪でヘアピンをつけた少年と、フードを深くかぶり、目元が見えない少年の2人が目に写った

少年という年齢ではないかもしれない

同じ制服を着ていて、どうやら同じ学校みたいだ




「うわ〜…片足ぬれた〜…」

「泥だらけやなぁw」

「笑い事ちゃうで…学校ついたら着替えなあかんやんけ…」

「朝から用水路に片足落ちるとか災難やなぁw」

「だから笑うなぁっ!!」




どうやらヘアピンをした人が用水路に片足落ちたらしい

ヘアピンをした方はめちゃめちゃがっかりした様子だが、フードをかぶっている方はどうしても笑いが止まらないらしい

…にしても、朝からこんな面倒なところ目撃するとは…びっくりして損した気分だ




「……、どこかで…気のせいか…?」




にしてもヘアピンをつけている人、どこかで見たことがある気がする。

頭の中に妙な違和感がある

同じ学校だから当然か…そう思いながら学校へ向かう




「……、…」






 









「おはよーございまーす(棒)」




誰もいない教室に声が響く

自分の机にカバンを置き、支度を始める

ロッカーにカバンを詰め、再び席に戻る

まだ頭の中の違和感はぐるぐると渦巻いている

どうやら完全に思い出すまで消えないらしい

そんなこといったって、思い出せないんだから仕方がないだろう




「誰やったっけ…」




小さく呟く

考えている間に教室は生徒で埋まっていく




キーンコーンカーンコーン




全員が席に着くと同時に朝の会が始まる

挨拶、委員会の連絡、先生からの話……次々と進んでいった

そんなこと、耳に入っていないのだが




いろいろと考えているうちに、昼休みになった

今日は授業の内容が驚くほど入っていない

どうしてもこの違和感をどうにかしたいのだろう




「何やったっけ…名前…」




まず名前から思い出そう、そう思ったのだが、肝心な名前も全く思い出せない

これでは永遠に思い出せないのではないか、そんな不安が頭をよぎる




「ぉ〜…、…」

「ちょ……〜…?」

「……い……?」

「おーーーーい!!!!」


「んぁっ?」


「あ、おきた」

「いつまでたっても起きないんかと思った」


「寝とらんけど…」


「あ、そう?」




目の前にいたのは、今朝用水路にはまっていた人…つまり、違和感の原因である

用水路にはまったからなのか、制服からジャージに変わっている




「あんさん…朝の…」


「えっ、なんで覚えてんの」


「いや、あんな大声だして、しかも朝から用水路はまってるんやもん…覚えとるやろ」


「それもそうかww」


「どしたん?なんか用でもあるんか?」


「ん〜〜…特にない」

「ただなんとな~く…お前と話してみたいな〜って」


「……」




何言ってるんやこいつ…というふうに相手をじっと見つめる

相手はずっとなにやらニマニマしていて、なにを考えているかわからない節がある

これも…どこかで……………




「も〜〜そんな顔せんでや〜w」

「別にええやん!」




そう言い、俺の隣に座る




「あ!俺、1-3のシャオロン!よろしくな〜!」


「ん…俺は1-6、ロボロよろしく」


「ロボロな!覚えとけたら覚えとくわ!」


「そこは覚えろよ…」







この作品はいかがでしたか?

211

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚