「テスト2日目だ~!」
「テンション高いな…。」
「だって負けられない♪」
「あ、あの…白梨花月さんですよね…?ちょっといいですか?」
いきなり知らない男性に話しかけられた。
制服を着ているからこの学校の人なんだとは思うけど…私に何の用事だろう……?
「はい…あの、私に何か?」
「じ、実はこれ、渡したくて…。」
白い封筒を突き出された。なんだろう…
「僕、白梨さんのことが好きなんです。手紙、読んでくださいね。」
それだけ言うと目の前にいる男性は去って行ってしまった。
「ラブレター…?」
「さ、さあ…?何なのかわかりませんが…。」
ビリッ
「ちょ、桃瀬さん何するんですか⁉」
私が持っていた手紙を桃瀬さんが思い切り破り捨てた。
「こんなの…ラブレターなんかじゃない。」
「いくらなんでもひどいです!まだラブレターだって決まったわけじゃないのに。」
「ひどいのは花月じゃんか!僕とのキス覚えてないし…皆のことばかり見て、全然僕のこと見てくれないじゃん!」
「キ…ス…?」
「一昨日、花月酔っぱらって僕にキスしたんだよ⁉」
「そんな…嘘…。」
「僕は花月のこと好きで好きでたまらないのに全然振り向いてくれなくて…。」
桃瀬さんの目から涙が零れ落ちた。そんなことがあったなんて知らなかった…あの時聖さんがキスしたって言いかけたのって……
「ごめん……僕、先に教室行ってる。」
「あ、桃瀬さん‼」
走って行ってしまった。何とも言えない空気が漂い、私たちはしばらくその場で立ちすくむしかなかった。
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