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#### 第5話「気づかない優しさと、見えない悪意」
翌日。
「おはよう」
教室に入ると、何人かが挨拶してくる。
(あ、昨日よりちょっと落ち着いてるかも)
そう思って、自分の席に向かう。
「あれ…?」
机の上。
教科書がない。
(あれ?昨日ちゃんと入れたよね…?)
カバンの中を確認する。
「……ない」
「どうしたの?いちか」
近くの女子が声をかけてくる。
「教科書なくて…」
「えー大変だね」
くすっと笑われる。
……気のせいかな。
「誰かに借りるしかないよね」
「うん、そうする」
深く考えずに、前の席の子に借りる。
(まあいいか)
休み時間。
「いちか、ノート見せて」
別の女子に言われる。
「いいよ」
素直に貸す。
「ありがとう〜」
そのまま返ってこない。
(まあ後で返してくれるよね)
体育の時間。
更衣室。
「あれ?」
制服がない。
(え……?)
ロッカーを何度も開け閉めする。
「どうしたの?」
また別の女子。
「制服がなくて…」
「えー、どこいったんだろうね」
笑ってる。
でも、探すの手伝ってくれない。
(うーん……)
少しだけ困るけど、
「まあ、いいか」
予備の体操服でなんとかする。
放課後。
📱「いちか」
シャルナーク📱が近づいてくる。
📱「今日、なんか様子変じゃない?」
ドキッ。
「え?そう?」
📱「うん」
じっと見てくる。
📱「元気ない」
「そんなことないよ」
笑ってごまかす。
(ちょっとだけ変だったかもだけど)
📱「……ふーん」
納得してない顔。
その時。
👊「いちかー!」
フィンクス👊が手を振る。
👊「今日体育サボってたろ?」
「サボってないよ!」
💧「服なかった」
シズク💧がぽつり。
(え)
📱「……は?」
空気が変わる。
📱「どういうこと?」
「えっと、その…ちょっと見つからなくて」
📱「“見つからなかった”?」
声、低い。
「うん、大丈夫だったし」
📱「どこにあったの」
「えっと…なかったからそのまま…」
一瞬、沈黙。
📱「……いちか」
名前呼ばれる。
その声、さっきと違う。
📱「それ、“大丈夫”じゃないよ」
「え?」
📱「完全にやられてる」
(え……?)
📕「やはりな」
後ろから声。
クロロ📕。
📕「今朝から違和感はあった」
👊「マジかよ…」
フィンクスが眉をひそめる。
💧「分かりやすい」
🪡「……くだらないことするわね」
マチ🪡の声、少し怒ってる。
🔫「いちか、気づいてなかったの?」
パクノダ🔫が優しく聞く。
「……え」
初めて、ちゃんと考える。
教科書がなかったこと。
ノートが返ってこないこと。
制服が消えたこと。
(……あれ?)
全部、繋がる。
「……いじめ?」
小さく呟く。
その瞬間——
📱「ふざけんな」
今までで一番低い声。
ドキッとする。
📱「誰がやったか、すぐ分かる」
「ちょ、ちょっと待って!」
慌てて止める。
「大丈夫だから!」
📱「大丈夫なわけないでしょ」
即答。
📱「いちかに手出すとか、ありえない」
(……え)
📕「落ち着け、シャルナーク」
📱「落ち着けるわけないでしょ」
珍しく感情むき出し。
📱「いちかが気づいてないのをいいことに——」
拳をぎゅっと握る。
(こんな顔、初めて見た…)
🔫「いちか」
パクノダが優しく手を取る。
🔫「怖い?」
「……ちょっとだけ」
正直に答える。
🪡「安心しなさい」
マチが言う。
🪡「あんた一人じゃない」
💧「守る」
シズクが頷く。
👊「つーか俺らがいるしな!」
フィンクスが笑う。
📕「手を出させるつもりはない」
クロロが静かに言う。
📱「……当然」
シャルナークが隣に立つ。
📱「いちかには、指一本触れさせない」
その言葉に——
胸がぎゅっとなる。
怖いはずなのに。
(……なんで)
少しだけ、安心してる。
でも。
その裏で——
誰かが、静かに笑っていた。
いちかの知らないところで、
“悪意”は確実に動き始めている。
コメント
4件
誰だよ!いちかちゃん虐めた奴!絶対に懲らしめてやる٩( 🔥ω🔥 )و