「大切な人だから」
お風呂からあがり、 紀坂(きさか)は私にバスローブを着せると、抱きあげて脱衣所を出た。
びっくりしたけど、でもそれ以上に抱きあげられたことに胸が高鳴り、のぼせたわけじゃないのに頭がくらくらして、気づけば紀坂にしがみついていた。
寝室には、前に来た時と同じく真っ白な大きいベッドが並んでいる。
紀坂は手近なベッドに私を下ろすと、そのまま覆いかぶさるようにして、両手を私の横についた。
私を見る、優しいけど熱っぽい瞳。
胸が一層高鳴るのに、好きという気持ちが隙間なく心を満たしたせいか、不思議とフラットな気持ちでもあって。
自分でも意識しないうちに両手を伸ばし、紀坂を求めた。
それは遠くはない、でもそう感じるこの距離を早く埋めかったからかもしれない。
紀坂が身をかがめ、こちらに来てくれるとほっとして、早く触れたかったのは私だと、口に出せないけどはっきりわかっ*****************
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