「君をずっと」
言葉を発した後、じっと見つめ合う私たちは、まるで時間が止まったように動かなかった。
紀坂(きさか)は予想外のことを言われた時のように、目を大きく開いて私を見つめている。
そのまましばらくして、紀坂は心を問い質すように尋ねた。
「……どういうこと?」
聞かれて、さっき聞こえていた電話の内容を伝え、私のせいで紀坂を煩わせたくないと思ったことを話した。
それを聞いて、彼は弱く眉を下げる。
「煩わされていないよ。俺は大変じゃないし、大丈夫だから」
無理しているとか、繕っているとかじゃない、本心からの言葉なのはわかる。
彼がそう言うなら、そうなのかもしれない。
だけど、私が離れようと思ったのは、彼に迷惑をかけたくないからだけじゃない。
「あなたが好きだから、負担になりたくないんです。あなたは優しいから、私はきっとずるずる甘えてしまう。そうなったら、後悔すると思う****************************
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