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『ずっと一緒に』
・第五人格 囚墓
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どこにでもありそうな、夏の屋上。
雨が降った後だからか、少しジメジメとしていた
今、私の目の前には、血だらけの彼がグッタリと横たわっている。
頭、鼻、口、肘、膝
至る所から赤く綺麗な血が流れていた。
私の手には先程頭をキズツケルのに使用したレンガ一つ。
涙と血でぐしゃぐしゃな顔は、どうしようもなく愛おしかった。
囚『綺麗、だね…。』
いつもなら、『ありがとう』と返してくれる彼の口は動かず、一言も喋ってくれなかった。
無視しているのだろうか
囚『アンドルー、?無視しないでくれよ、いつもなら、ありがとうって言ってくれるじゃないか。』
15分弱が経った。
私は彼をじっと見つめるが、肌が青白く冷たくなるばかりで、反応の一つも無い。
少し興味本位で脈を確かめる。
が、動きはなかった。
殺したんだ
そうだ。私が殺したのだ。この綺麗な肌を沢山傷つけて…。
でも、やっと私のものになったのかもしれない。
喋ってはくれないし、動いてもくれないけれど、私の側からは一生離れないのだろうから…。
私は彼を担いで、部屋に向かった。 深夜なおかげで、人から見られる事はなかった。 見られたところで、どうでもいいが…。
彼が私から離れる事はないし。
1ヶ月がたった今。
今日は彼の誕生日で、一緒にパーティーの準備中…♪
この日のために買ったドレスを身に纏う彼は、今までにないくらい綺麗で美しかった。
白いドレスに付く赤黒い血がアクセントになって、…
囚『綺麗だ…。』
一緒にケーキのろうそくを吹き消す。
囚『誕生日おめでとう、アンドルー』
ニコリと微笑んだように見えたのは私だけだろうか。
死刑囚となった私は、首を吊る羽目になったけれど、
時間になった時、首を吊られた苦しさから視界が黒く染まった。
何年ぶりに泣いた気がする。
だが、これでやっと、解放されたのかもしれない…
囚『次は私の番か…』
地獄に反射した血だらけの自分。
墓『綺麗だな』
そんな懐かしく愛しい声が聞こえた気がした___