テラーノベル
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…あの事から1ヶ月経った。未だに破滅はしていない。
しかし、食料が少し心もとなくなってきた。1日二食でも少し厳しいか…
さらに、機械みたいな毎日を送っている。
ご飯を作り、妹と食す。
それからこたつに入りながらすることもないので眠る。
そして夕飯の時刻になったら作り、妹と共に食す。
そしてみかんを少し食べ、今後について話し、同じ結論に至る。
それ以上わざわざ話す事もないので朝まで眠る。
毎日これの繰り返しだ。
今日も夕食タイムが始まった。
その時、私の妹 葵が窓を見ながら
「やっぱりさ、世界が眠らなかったらどうなってたんだろうね。」
とおもむろに言い放った。
その言葉にすかさず
「今の世界でも満足だけど、未来でもっと好きになったりね笑」
と返した。すると葵が
「その時は好きって言ってあげてもいいかもね〜。」と言っていた。
その言葉は果たして本心なのか。私には分からなかった。
今日も2人はいつものように、炬燵でみかんを食べていた。
今日も同じ話をしながら 残り数個のあまり甘くないみかんを頬張っていた。
きっと同じ結論になるだろう。そう思っていた。
今日も同じ結論になってしんみりしたが、妹が
「でもさ、次の季節が来ないならさ。前の生活を思い出して楽しめばいいじゃん。」
その言葉に救われた。そうだ。未来を思って凹むなら過去を見ればいいじゃないか。
その言葉に同意し、過去を思い出した。
「確か…2014年にうちら生まれて…」
「今まで親しまれてきたんだよね。」
「つい最近歌えるようになったから色んな曲が作られ始めたんよな…」
なんだ、過去は明るいやないか。
そんな暗い想像なんかよりもよっぽど明るい。
これからは過去を思い出そう。未来は見ないようにしよう。
そのまま話に花が咲き、夜深くまで話をしてしまった。
ふと、私があることを思い出し、葵に問いかけた。
「絶対的なさ、生物化学的な終わりを前にしたら…たとえば巨大隕石が落ちてくるとか。そうなったら葵は手を固く握ってくれる?」
そう問うと、葵は
「…当たり前だよ
死ぬ時に何も手にないのは少し寂しいから。」
と答えた。
そんな妹を見て、最期はいつ来るのかとまた未来の事を思い出し、暗い気持ちになってしまった。
あわてて考えを打ち消し、作り笑いをした。
最近、少し家の気温が上がった気がする。
気のせいかな。
…そういえばこの寒波はいつからなのだろうか。
思い出すと3週間は続いてるような気がする…
あぁ、大寒波はきっとまだ続いてゆくな。
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