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『あの日、君を守った理由【後編】』
放課後。
先生が話していた。
「最近、不審者がいるらしいので気をつけてください」
ここから離れたところだったので、それほど気にしなかった。
しかし、あそこにいる男性はその不審者の特徴と似ていた。
まさかと頭では思ったが、体が無意識に動き出した。
自転車を放り投げ、走った。
そして俺は彼女と男性の間に入り込んだ。
「おい!早く逃げろ!」
彼女はびっくりした様子で俺を見ていた。
「で、でも…」
彼女をよく見ると足が震えていた。
「俺は大丈夫。だから早く!」
そう言うと彼女は走っていった。
彼女が少しでも遠くに逃げれるために。
その思いで、男性を足止めした。
「おい!邪魔だ!」
「行かせない!」
「チッ!」
男性は舌打ちをし、拳を振り上げた。
その後のことは何も覚えていなかった。
目が覚めると、俺はベッドに横になっていた。
ベッドの横には、さっきの彼女がいた。
「あ…!目が覚めたのね…。良かった…」
「…ここは?」
「病院。あなたは男性に殴られて気を失っていたの」
「そうなんだ…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…!私のせいでこんなことに…」
彼女は涙を流しながら謝ってきた。
「ううん。そんなことないよ。俺は大丈夫だから」
その後、彼女の口から男性は不審者だったと聞かされた。
あの場を離れた後に警察に通報してくれたらしい。
「大丈夫だった?怪我、してない?」
「うん。大丈夫だよ。あなたが守ってくれたから」
彼女は涙を流しながらも、笑顔で答えた。
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