※これはご本人様には関係ありません
※ご本人様の目の当たるとこに上げたりしないでください
※無断転載禁止!!
nmmnです
???がかわいそうな目に会います!
暴力シーン等あり
それが許せる方のみお読み下さい!
宜しいですか???
side???
今日も薬を打たれる
ああ、今日の注射の中身はなんだろうか
薬か、毒か
まだ薬の方がマシだなぁ
毒は体制が得られるまで数分〜数十分かかるから…
ポイと
投げ捨てられたパンを拾って口にする
カサカサのとても食べられるとは思えないパン
……美味しくない
見つからないように食べないと
もし、見つかってしまったら___
「おい」
……ああ、最悪だみつかってしまった
ガチャリ
と、扉を開けて入ってくる
なんにもないこの真っ白の部屋に入りたがるやつなんているだろうか
少なくとも、前にいるひとりはそうらしいが
「なにモルモットの分際でパンなんて食ってやがる!!」とパンを取り上げられる
取り上げられたパンに手を伸ばすもはたき倒される
そのまま殴られて、蹴られて、それにひたすら耐える、耐えて耐えて、耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて
「チッ!!」と、舌打ちをひとつかましたそいつは満足したようで部屋から出ていった
良かった、今日はマシだな…
なんて、転がっているパンを拾う
それに齧り付く
相変わらずカサカサだ
口の中が切れているのか血の味がする
俺の部屋と同じ子供たちは素知らぬ顔だ
そうだ、ぼくはこの部屋にひとりじゃない
共同のような部屋に押し込められている
でも、そ知らぬ顔をする
ここではそれが生きる術だ
今日はあと実験だけで終わりか……
なんて、思っていると
ドーン!!!
という音がした
グラグラする床
崩れ落ちてくる壁と天井
助けて、と、手を伸ばしてくる
それを見て見ぬふりする
このガリガリな体では助けることなんてできない
もっとも、大人でもない子供の力ではそんなことも出来ないし、自分が巻き込まれる可能性がある
ガラリ……
と音がした
そちらを向くと壁に穴が空いていた
ヒュゥゥウ……
と風が入ってくる、隙間から青い空が見える
良いのだろうか、外に出ても
ここにいるのは自分1人
ならば、と、足を踏み出して外に出る
そこに居たのは……まぎれもなく……
差し出してくれる手も、にっこりと笑う顔も、俺らのとこに来る?というその声も、姿も
全部全部………神様のようだった
side???
それは、いつものように気に食わない施設があったからぶっ潰してしまおうと決めた日だった
いつものように爆弾で爆発させてぶっ潰した施設の壁の隙間から、その子は出てきた
ガリガリに痩せた体、幾つもの打撲痕
注射痕、裸足の足、ボロボロの服
一目で見ても実験されていた子だということが分かる
1人しか生き残らなかったのだろうか
まぁ、爆発させたからそうかもなぁ、なんて
天国にも行けず、一人で生きて行くしかないその子はあまりにも可哀相で
にっこりと笑いながら
「どこにも行けないなら……俺らのとこに来る?」
なんて、軽く声をかけて
後ろの仲間たちが何か言っているが気にしない
長い前髪の隙間から見える
くるりとまぁるい目で見つめてきたその子は
ハッとして、俺の手を取った
それを了承と捉えて抱き上げる
目を見開いてキョロキョロとするその子に思わず笑みがこぼれる
「さぁ、帰ろう、俺らの家に」
そう言って、施設だった残骸を後にする
もう用はないからね
それより今はこの子だ
ろくに風呂にも入れなかったのだろう
髪がくすんでいる、帰ったらお風呂かな
でも、どんな実験をさせられていたのだろうか
パッと見では全く分からないもんな
なんて、思いながら歩を進める
???視点
「ここだよ」
と言われる
目の前にあるのはとても大きな家
あまりの大きさに目を大きく開く
こんなの、絵本でしか見た事ない
ガチャリ
と、扉を開けて中に入る
広々とした空間
初めて見る様々な色
綺麗……
「とりあえず、お風呂に入ろうか」
と、話しかけられる
お風呂……?
それって、絵本の中に出てくる
夢のようなものじゃないの……?
手を引かれて連れていかれる
「お湯は〜?」
「もう貼っとる」
「さっすがぁ〜」
なんて、他の人との話を交わす
ガラガラ……
と、扉を開ける
目の前にあるのは長方形?の箱のようなもの
かぱり、と蓋を開ける
少し、嫌なことを思い出す
とても、似ているから
寒い寒い冬の日に入れと投げ捨てられた
水の溜まった浴槽に
「……触ってみる?」
と、不安がっているのに気づいたのかそんなことを言ってくる
恐る恐る、触れてみる
…………暖かい
あの凍えるような寒さとは比べられないほど
とても気持ちがいい
「今から、これに入るの」
と、言われる
「服、脱げる?」
服を……脱ぐ?
いつも服を脱がずに入れられたり
無理やり剥がされたりはしたけど……
「んー……バンザーイって、分かる?」
そう言われる
バンザーイ……って、こうだったよね?
と、思いながら両手をあげる
「お、えらいえらい」
と、言われて
スルリ、と服を脱がされた
(…………!?!?)
思わずびっくりする
手際よすぎる!
「………………」
目の前の神様は何故か喋らない
どうしたのだろうか
……やはり、このキズは醜いのだろうか
怪我の治りは早いものの、傷跡が残るものもあって
この前切られたばかりの傷跡は塞がってはいるが、まだ完全には治っていない
固まったままで動こうとしない神様をどうすればいいのだろうか……?
僕は声を出すことが許されてないから
声をかけることは出来ない
なら……
神様の綺麗な両目の前で軽く右手を振る
ハッ、とした神様がようやくこちらを見つめていた目を瞬きする
「…………ごめんな」
と、つぶやく神様
どうして、謝るのだろうか?
モルモットとしてはこんなこと当たり前だからなんとも思わないのに
「さぁ、入ろう」
と、軽く押される
神様が、何かを捻って温かさを調整していた
「んー……こんなもんか」
ジャァー…
というものをこちらに向けられる
ビクリ、と身体を震わせる
「大丈夫大丈夫、目、瞑って?」
と言われる
言われるとおりに目を瞑る
暖かいものが降ってくる
……気持ちがいい
「よーし…洗うからな?」
と、カショカショと、何かを出した神様は
僕の髪を洗い始めた
ワシャワシャと擦られる
初めてだ……、こんなに気持ちがいいのも、暖かいのも、優しいのも
そのまま流された髪の毛は
まだあそこに入ったばかりの色で鏡に映るのは
久しぶりに見た本来の髪の色
「おぉ……綺麗な色してんな…」
と、神様も感心しているようだった
また、カショカショと、何かを出した神様は
今度は体を洗い始める
傷口の後は優しく撫でてくれて
痛くないし、感じないから大丈夫なのに
優しく、優しく、洗ってくれた
流された自分の体もすっかりと綺麗になっていて
「よーし、完了!」
と、ニパッ、と笑う神様の顔が綺麗で
少し湯船というものに浸かったあと
押し出されてワシワシと、髪や体を拭かれる
けして、乱暴では無い
フワフワでモコモコなこの布は、初めて触った
いつも放置されていたから
「これ着て?」
と、大きな服を出される
「すまんな、お前のサイズ似合う服がないんや」
と、神様の仲間のひとりがそう言ってくる
フルフルと首を横に振り
大きな服を着る
ダボッとした服はズルズルと床を引きづりそうな程で
「あー……しゃあないな」
と、軽くまきあげてくれた
「これで多少は動きやすいやろ」
「ありがとう」
と、神様が言う
神様に手を引かれて連れていかれたのは
広めの部屋だった
机と椅子があって、生活感があって
「ここに座って?」
と、言われて大人しく座る
神様は僕の目の前にある椅子に座る
「さてと……君の名前は?」
と、いきなり質問される
……な、まえ?
いつも呼ばれていたのは番号だ
名前なんてないし、そもそも喋れないので答えられないのだが…
「………?」
不思議に思った神様は首を傾げる
「えー……と、言葉はわかるよね」
と、問われる
それはわかるので頷く
「どうして喋らないの……?それとも、喋れないの……?」
と、質問される
『…………』
どうしようかと考えていると
「おい、これ使えや」
と、紙と、ペンを渡される
文字はかけるが……分かるだろうか?
なんせ、絵本でしか読んだことがないのだ
書いたこともあるが、床に指で書くようにしていたので、ちゃんと書いたことは無い
恐る恐る、ペンを掴む
そのままグリグリと、文字を書く
【ぼくはしゃべってもいいんですか?】
拙く書かれたその文字は教えられていないのだと言うことが一瞬で分からされて
「……いいに決まってる」
【……わかりました
ひさしぶりなので
しゃべれるかわかりませんが】
『……っ、ぁ、の』
と、声を出す
久しぶりに出す声は、自分の知ってる声とは違って、カサカサの声だった
『……っ、ゴホッゴホッ』
思わず咳き込む
久しぶり過ぎて、行き良いよく息を吸ってしまった
「っ!大丈夫!?」
と心配してくれる
『だ、っ、大丈夫っ、です……』
心配させては行けない
この人は神様なのだから
『久しぶり……すぎて…』
「久しぶり……?」
『ぼ、ぼく、声を出したら行けなかったので』
「どうして……?」
『僕が喋ったら、気持ち悪がられて殴られていたので…』
「…………」
『…………?』
なにか、おかしな事でも言ったろうか
また固まってしまう
「おい、バカ」
「ハッ…」
仲間のひとりに声をかけられてハッとしていた
それにしても、神様をバカ呼ばわりなんて…
失礼な人だな……
「ごめんごめん……それで、名前は?」
『……』
また、名前、そんなもの……
『1008』(イチゼロゼロハチ)
番号しかないのに
「…………ぇ?」
きょとん、とする神様
『…………』
「え、な、名前だよ?」
『……?1008…ですけど』
「…………はぁぁぁあ」
と、大きく息を吐く神様
思わずビクリとしてしまう
あぁ、殴られてしまうだろうか
「名前…ねぇのかよぉ……」
「んま、当たり前っちゃ当たり前やな」
「そんなてきとーに……」
と、二人で話している
『……??あ、の』
「……ん、どした?」
『神様は…どうして僕を助けてくれたの?』
「……は…神様……?だ、誰が?」
『え……神様…じゃ、ない、の?』
と、目の前にいる神様に問いかける
「…………ん!?お、俺!?もしかして!?」
『……?はい』
「ブフッ!!……アッハッハッハッハ!!
神様!!こいつが!!神様だって!!」
と、そばにいる人が笑い出す
「えぇ……?そんなふうに見えんの俺……」
「アッハッハッハッハ!!ヒーッ!無理!!」
「こらー?笑いすぎなぁ〜?」
??
頭が混乱する
もしや、神様では無いのだろうか
いや、自分からしたら立派な神様なのだが…
「俺はね、神様じゃないよ」
そう告げられる
『じゃあ……?』
「そうだ、自己紹介してないねぇ」
「そういや、忘れとったな」
『??じこ、しょうかい?』
「ん、俺は”らっだぁ”」
「俺は”金豚きょー”やよろしゅう」
『……らっだぁ…様』
「あー!やめて!様付けやめて!」
『え……』
「らっだぁでいいから!」
『……それじゃあ、らっだぁさん…』
「あー……もうそれでいいよ…」
「で、1008くん?」
『…はい?』
「君に名前をあげましょう」
『なまえ…』
「そう、名前、名前はね、大切なんだよ
意味を持ったり、呼びやすかったりするからね」
『……はい』
「んー……じゃあ……」
「”ぺいんと“っていうのはどう?」
『……ぺいんと…』
「そう、まー、それ以外思いつかんかったけど」
『……ありがとう、ごさいます…』
「どーいたしまして!」
『……それで、らっだぁさん?……僕を助けたのはどうしてですか?』
「んー…まぁ、強いてゆうなら……何となく?あそこに居ても可哀想だったし、何より行くあてもないしね」
『……はぁ…?』
言われてもあまり分からない
確かにこの人に助けてもらわなければ
僕は行き倒れているか
また人身売買に出されていただろう
「ま、長ーい話はご飯の後にしよっか」
と、言い
「レウー」
「はーい」
と、両手に何か持った人が出てくる
「誰か拾ってくるなら先に言ってよねー…」
「ありがとう、レウ」
「どうぞ」
と、目の前にお皿が置かれる
「ぺいんと、そいつはレウ、治療と料理が得意だよ」
「レウだよー、よろしく」
『よ、ろしく、お願いします…』
「さ、食べて食べて!冷めないうちに!」
「いただきまーす」
と、食べ始める
『…………』
どうやって食べるのだろうか?
横に置かれてるこれかな?
「……?食べないの?」
『あ、えと…これ、どうやって食べれば…?』
「え」
「え」
「え」
『…………?』
「……あ、えーと……その横にあるスプーンを使うんだよ」
『……これ?』
と、横に置かれていたものを掴む
「そう、それ」
『……?』
とりあえず、すくってみる
お、いけた…
ホカホカと暖かそうな湯気を出す
フー…フー…
と、さまして口に含む
『……!!』
「……どうかな?」
『…………おいしい…』
思わず、口からこぼれていた
初めて、こんな美味しいものを食べた
とても暖かい
思わずポロリと涙がこぼれる
「どぇえ!?な、泣いた!」
「あー…レウが泣かせたー」
「いけないんだー」
「うぇえ!?ご、ごめんね!?」
『いえ……いえ…こんな、こんな美味しいの初めて食べて……暖かくて、優しい味がして…』
「…………」
「……」
「……うん、ありがとう、これからはいっぱい食べれるよ」
『…………はい…』
完食しました…
「ご馳走様…」
とても、心地がいい
フワフワ、ホワホワ
そんな感覚
「あー…寝ちゃいそうだね」
「そうだね」
「まだ聞きたかったことはあったけど…とりあえず」
「どりみー!」
「ハーイ…」
ゆらり、と出てきた人
「みどり、この子部屋に寝かせてあげて」
「ウン、ワカッタ」
「ぺんちゃん、そいつはみどりいろ
色々出来るやつだから、なんかあったら頼っていいよ」
「カッテニソウイウコトイウノヤメテ」
「いいじゃん」
ひょい、と、体を持ち上げられる
そのままフヨフヨと、どこかに運ばれていく
その腕の中で僕は眠りについた
「…………よし行ったな」
「それにしても……結構酷いことされてたっぽいね」
「あぁ、言動とか、行動とかがな……どうするんや?らっだぁ」
「……治してくに決まってるでしょ
ちゃんと教えて、怖いものがないって教えないと……」
「りょーかい、ほんなら俺も手伝うかぁ……」
「俺も、何かあったら言ってね」
「コンちゃんには今度合わせないと」
「あぁ…いまあっこに行っとるんやっけ?」
「そうそう」
「まー…そのうち帰ってくるから、その時にね」
「ほんじゃ、俺らも寝るかぁ」
「そうだね、おやすみ」
「ん、おやすみ〜」
パタパタ…
と、足音が消える
「……ぺいんとのこと、みどりに調べてもらうか…何かわかるかもだし……」
「ヨンダ?」
「どわぁ!」
「ウルサッ」
「いきなり現れんなよ…」
「ンデ、シラベレバイイノ?」
「ん、たのむ」
「アノコノコトカワルダケデイイカラオシエテ」
「○○施設の中にいた、番号は1008
ガリガリに痩けた身体とボロボロの服
沢山の打撲痕と、注射痕、それから傷跡
壁の隙間からでてきたから……何かしらの部屋にはいただろうな…」
「ン、ワカッタ」
そう答えてフヨフヨと消えていく
「…………さてと、俺も寝ますかぁ…」
その夜
爆発の煙も収まった
唯の石屑と成り果てた研究所で
「クソッ……なんで………」
と、ズリズリと這いずって出てくる人影
「最悪だ……寄りにもよって1008を連れていかれた……!!あいつは、モルモットの中でも最高傑作だったのに……!」
そう言っている男がいたことは
誰も知らない
終わり
コメント
1件
めっちゃ好きです🥹💕