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ぽんぽんず
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第16話【激動の二分割と、二倍の独占欲】
不敵に笑うレミエルが放つ圧倒的な神威と、魔皇帝アイラナの暴露。
誰もが息を呑み、時間が止まったかのような会議室に、さらなる『異変』が襲いかかった。
ドクン、とアイラナの体内が大きく脈打つ。
その瞬間、彼女のお腹から放たれていた規格外の神魔の超魔力が、にわかに激しく乱れ、渦を巻き始めた。
「――っ、く、あ、あつ、い……っ!?」
アイラナは思わずお腹を抱え、その場に膝をつきそうになった。
あまりの魔力の激変に、レミエルの薄紫色の瞳から余裕が消え、すぐさま彼女の元へと駆け寄る。
「アイラナちゃん!? どうしたの、まさか魔力の拒絶反応――」
「ち、違う、レミエル……! 体内の中の、命が、……分かれていく……っ」
「え?」
アイラナの言葉通り、彼女の体内で一つだった強大な魔力の結晶が、細胞分裂を起こすかのように、滑らかに、そして劇的に「二つ」へと分割されたのだ。
二つに分かれた光の塊は、それぞれが小さくも自己を主張するように、トントン、と小気味よい二重奏の鼓動を打ち始めた。
神と魔の血を引く、あまりにも強力すぎる生命の胎動。
それは完璧に、アイラナの体内に
「二つの新しい命(双子)」
が宿ったことを意味していた。
魔力の波及は会議室全体に広がり、その神聖で愛らしい二つの気配に、魔界の宿老たちも武器を持ったまま唖然と立ち尽くす。
「ふ、双子……!? 我が皇帝陛下のお腹の中に、神魔の双子が……!?」
「そんな、一晩で双子を成すなど、どれほど濃密な魔力を注ぎ込めばそうなるのだ……!」
重臣たちの戸惑いに満ちた叫び声が響く中、羞恥と衝撃で頭が真っ白になっていたアイラナだったが、隣にいる男の気配が変わったことに気づいた。
「……あはは。嘘でしょう、双子?」
レミエルはアイラナの肩を抱き寄せたまま、自身の片耳のレッドダイヤモンドのピアスを小刻みに揺らし、信じられないほどに歪んだ、狂おしいまでの歓喜の笑みを浮かべていた。
長い睫毛に縁取られたその流し目が、ギラリと猛烈な独占欲でアイラナを射抜く。
「すごいよ、アイラナ。僕たちの愛の結晶が、一気に2人もできちゃうなんてさ。……ってことは、僕の可愛い家族が、これから一気に2人も増えるわけだ」
「レ、レミエル? お前の目が、いつも以上に据わっていて怖いのだが……」
「怖い? 怖いわけないじゃない。嬉しすぎて、僕の中の独占欲が2倍になっちゃっただけだよ。……ねえ、アイラナ。こんなの、もう絶対に君を人間界に連れて帰るしかないじゃないか」
レミエルは魔界の臣下たち全員を見据えると、双子を宿したアイラナの腰をぐっと引き寄せ、傲然と言い放った。
「聞いた? 僕の奥さんは、僕との双子を妊娠中。今日この場で不可侵条約を結ぶだけじゃ足りないな。すぐに結婚して連れていこう♪
文句がある奴は、僕たちの子どもの誕生を邪魔する不届き者として、今すぐここで僕がきっちりきっかり『処分』してあげるよ」
双子という想定外すぎるアクシデントを、一瞬で「2倍の独占欲と脅迫」に変えて魔界を丸ごと呑み込もうとする最強の大天使。
アイラナは赤面しながらも、彼の強引すぎる愛の深さに、お腹の双子とともに完全に包囲されてしまうのだった。