「俺の好きな人」
ドクン、ドクン、と心臓の音が大きくなっていく。
久世(くせ)さんが今、いろんなことを考えているのは感じる。
彼の唇が開き、言葉を作ろうとしたけど、形にはならなかった。
(お願いだから、一緒に来て……)
ここを出て帰れる保証もないのに、自分だけ部屋に行くなんてできない。
私の気持ちが伝わったのか、しばらくして久世さんはふっと表情をゆるめ、諦めたように笑った。
「……わかった。一緒に行くよ」
「ほんとですか!よかった……」
それを聞いて、胸の奥から息を吐きだす。
でもどうしてだか、動悸はおさまるどころか、どんどん速くなった。
(あれ、なんで……)
考えてはっとした。
そうだ……私、家族以外の男の人と泊まるのは、初めてだ……。
気づくと急にドキドキして、エレベーターへ向かう間も、鼓動は速まるばかりだ。
客室に入り、久世さんが電気をつけると、部屋全体*********************
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