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向井は、ため息を吐く。渡辺が次の日が休みってしばらくないのだ。

横から渡辺がスケジュールを見る。

ある日を指差す。


向井ーこの日がどないしたん?

渡辺ー次の日の仕事、取材だけで座ってるだけだし。昼までだし。

向井ー明後日やで?

渡辺ーん。

向井ーええのん?

渡辺ーん。今日は写真見て帰るから、現像してこい。

向井ー分かった。待っといて。


向井が暗室から出てくると、渡辺はいつものように眠っている。

そっと頭を撫でる。

写真は、乾くのを待つだけ。


向井は渡辺の顔を見ながら思い出す。「抱き潰すくらい荒々しい康二が見たい」渡辺が言ってくれた。

いつも、渡辺を優しく愛してきた。

優しさが大事だと思っていた。

好きすぎて、宝物を扱うように大事にしてきた。


でも、好きの気持ちをぶつけていいんだ。

思うままに我慢せず、愛していいんだ。

起きてきた渡辺。

写真も出来上がってきて2人で見る。満足そうな渡辺。

お気に入りを1枚持って帰って行った。



今日は、渡辺と約束した日。

向井は仕事から帰ってきて、ソワソワしている。

ホントにいいのだろうか?

思うままに愛していいのだろうか?嬉しい反面、不安もある。


もうすぐ、渡辺の仕事が終わる。

そのまま向井の家にやって来る。

晩ご飯は食べてくるとのこと。

時間が遅いから、弁当が出るらしい。


落ち着かない。

向井は、無駄に動き回り、シャワーを浴びて、とうとうソファに寝転がることになった。


渡辺ー康二?

向井ー・・翔太くん。

渡辺ー預かってた鍵で入ってきた。

向井ーおかえり。

渡辺ーただいま。

向井ーコーヒー淹れよか?

渡辺ーうん。


コーヒーを2人はゆっくり飲む。

手を繋いでいる。


向井ーホンマにええの?

渡辺ーん。

向井ー大好きや、翔太くん。

渡辺ーシャワー浴びてくる。

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