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新しいレッスン生が入ってきたのは、それから数週間後だった。
スタジオの空気が、少しざわつく。
(……綺麗)
第一印象は、それだった。
背が高くて、顔が小さくて、肌も綺麗で。
何より、“完成されている”感じがした。
名前は、結菜
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「今日から参加します、結菜です」
笑顔も完璧だった。
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すぐにわかった。
この子は、“選ばれる側”の人間だと。
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レッスンが始まる。
結菜の動きは、最初から目を引いた。
歩き方、姿勢、表情。
どれも、初日とは思えない。
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(すごいな…)
素直にそう思う。
同時に——
(勝てない)
そんな考えが、一瞬だけよぎる。
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その日の帰り。
「今日の子、すごかったな」
隣で彼が言った。
「…はい」
「でも」
少し間を置いて、続ける。
「音の方が、目に残る」
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思わず足が止まりそうになる。
「え…?」
「なんか、消えないんだよな」
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それ以上は何も言わなかった。
でもその一言が、ずっと頭に残った。